「お話その参」
「お話 その弐」からの続きです。
まだ読んでない方は、こちらをどうぞ!
新海老人ヨレヨレ物語「お話 その弐」 》》》
交通事故でよぼよぼの老人姿になった僕。
なので以降は新海老人でいきます。
(何のことかわからない方は、前回までを読んでくださいね。)
新幹線を降りて新大阪から電車を乗り継ぎ、
小一時間かかる駅にその会場がありました。
会場は体育館の武道場。稽古に来ている人は20人位。
内弟子のような人がほとんどだったと思います。
意気込んで大阪まで武術を習いに来たものの、
そもそも、よぼよぼ状態の新海老人に武術なんかできるのか?!
と思われた方も多いのではないでしょうか?
しかも、体を治すのになんでまたハゲシク体を使う武道を選んだワケ?
と疑問を抱いた方もいらっしゃることでしょう。
順に話していきますね。
まず普通、「武術の稽古」と聞くと、
きつい修業のシーンを思い浮かべると思います。
たとえばジャキー・チェンの映画にあるシーン。
ジャッキー扮する主人公が、強くなるために
師匠が提案するトンデモナイ練習方法で特訓し、
肉体や精神を鍛えていくところとか・・・。
あんなの、もちろん新海老人には無理です。
無~理~!だいたい今の僕にも無理ですし、もともとそういうのは嫌いです。
だって、あそこまでキツいのに耐えられるわけないじゃないですか(笑)。
その点、僕が見つけた武術本に書いてあった鍛錬方法は
あまり動きのないものだったのです。
だから新海老人は、
「今の自分でもそれならできる」と信じ込んだわけです。
実際、最初の頃の稽古は本にあったとおり、
動きの少ない、とても静かなものでした。
大阪での初回など、2人1組で相手の体に
そっと手で触れて突っ立っているだけというものでした。
荒々しい稽古どころか、傍から観たらとても武術の稽古には見えません。
しかし、そんなことが非常に難しい!新海老人の心の内はというと・・・・・。
「で、できない!」
「わからないぞぉぉぉ・・・!」
「何をどうやればいいんだ?」
そもそも何をトレーニングしているのかすらわかりません。
「!」「?」のオンパレード状態です。
「だいたい、大坂まで来て僕は何をやってるんだ?!」
どうなる、新海老人?!
続きは「お話その四」へ
覚技ワークス主宰 新海正彦