新海老人のヨレヨレ物語「お話 その弐」 | 覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

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覚技(かくぎ)とは、さまざまな心理療法に、武術や音楽やシャーマン的テクニックを取り入れた、こころとからだに目覚めをもたらすトレーニング・メソッドです。

お話その弐

「お話 その壱」からの続きです。

まだ読んでない方は、こちらをどうぞ!
新海老人ヨレヨレ物語「お話 その壱」 》》》


「やっぱり自分だけで何とかするほうがいい」と意を決めて、
坂を老人のような足取りで下って駅へ向ったのでした。

ところがようやく駅にたどり着いたものの、電車は出発したばかり・・・。
次発まで時間がかなりあります。

しかも長い坂を下りてきたので体は辛く、
今後どうするか暗澹たる気持ちです。



そんな時、駅前の商店街入口の本屋さんがふと目に入りました。

雑誌とわずかな単行本が置いてあるだけの、
間口一間半ほどの小さな本屋さんです。

なぜか気になり、時間つぶしのつもりでヨレヨレと本屋さんに入りました。
わずかに並ぶ本棚を眺めていると、ある1冊の武術の本が目に入りました。

その本は、以前やけに熱心に勧める人がいたので
記憶の隅にあったものです。

といっても、それはとてもマイナーな本でしたので、
「なぜまたそんな本が、こんなところの小さな本屋にあるんだろう?」
という感じでした。



すっと手にとってページをパラパラめくってみると、
書かれていることに目がひきつけられました。

チカラを用いない。
カタは不用。
意識を使う。
脱力した芯のあるカラダの動き。

などなど。

とても興味深いことがたくさん書いてあります。


「この武術をやりたい!」


即座にそう考えました。
学びながら自分なりに体を整えていこうと思ったのです。


これが、その後長く学ぶことになる、ある武術との出会いでした。


本を購入してすぐに中に書いてあった連絡先へ電話。
しかしその武術は、当時まだ発足したばかりで、
初心者の参加は月に一度のみ。

しかもそれが既に3日前に終わってしまっていて、
次回は1ヶ月半後です。

「うわーっ、随分先だ。待てない!」


そこでしつこく食い下がって聞いてみると、
電話の向こうから「大阪なら、明後日にありますが」との答え。


這ってでも行く!と、
2日後には新幹線によぼよぼと飛び乗っていました(笑)。

僕と武術は、このようにして出会ったのでした。



出会いって不思議ですね。
交通事故がもとで体を壊して、
治しに行った先の小さい本屋で本と出会ったのですから。


あなたもこういうことってありませんか?

「あの本の一言が気になって、それがきっかけで・・・」とか、
「よく考えたら、あの人のあの何気ない一言が大きな転機だった」とか、
「今の人と一緒になったのは、たまたま・・・」とか。


こういう偶然(流れ)って面白い。
僕はそんな偶然(流れ)をいつも大切にしています。


ということで続きは「お話その参へ。


覚技ワークス主宰 新海正彦