新海老人のヨレヨレ物語「お話 その壱」 | 覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

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覚技(かくぎ)とは、さまざまな心理療法に、武術や音楽やシャーマン的テクニックを取り入れた、こころとからだに目覚めをもたらすトレーニング・メソッドです。

「お話 その壱」

先日、ある人に覚技について説明する機会があり、
その中で「何で武術なんですか」と聞かれました。

そういえばあまり話したことがなかったなあ。

ということで、
僕と武術と覚技の関係について書きたいと思います。
今回はきっかけとなる出来事を書いていきます。


僕と武術との出会い、それはなんと自動車事故がきっかけでした。

渋谷区の広尾交差点で、夜中、信号待ちをしているときに
後ろから突然、追突されてしまったのです。

追突に突然というのも変な話ですが、
相手がノーブレーキで音が聞こえなかったため、
本当に突然だったのです。

「ドシャーン!」

という衝突の衝撃にひとしきり耐えて
何とか車から自力で出てみると、
背中は座席の形のまま動かせないほどダメージを受けていました。

首から腰までがひとかたまりになったみたいでした。
全身がジーンとしびれています。
鼻の奥はツーンとして何も感じない。

翌日行った病院の先生曰く、
「部屋に入ってきた新海さんのシルエットをみて老人かと思いましたよ」
ですと!?

そこでは診断書は書いてもらったけど、
僕は病院や治療院で治してもらおうとは思いませんでした。


というのも僕の考え方は、

「体に不都合が起こったときは、外から体に何かをすることは最小限とする。
何か働きかけるとしても、当人の中で回復に向かうきっかけをつくる程度の
関わり方が最善と考える」

というものだったからです。

この考え方については18歳頃から今に至るまで変わっていません。

体に起こったことはできる限り自分で何とかする、
という方針でやってきています。

ということで、
最初に思いついたのが野口整体でした。

野口整体は、ご存知の方も多いと思いますが、
野口晴哉という方が創始者で、
自分の力で自分の症状を治癒するための明快な指導をしています。

野口整体のすばらしさは以前から体験していて、
東京の本部にも通っていたことがあり、本も随分読んでいました。

そこで神奈川支部が小田原にあるので、
予約しやすかったことから、小田原へ行きました。

事故後に2度ほど通ったのですが、
それまではすばらしいと思っていた野口整体の操法は、
その時の自分の体には、
なぜかピンと来るものがありませんでした。
(このときは、です^ ^; )


そこで2度目の帰り道、

「やっぱり自分だけで何とかするほうがいい」と意を決めて、
坂を老人のような足取りで下って駅へ向かいました。

そうしてようやく駅にたどり着いたものの、電車は出発したばかり・・・。

しかし、これが運命の武術との出会いになるとは、人生面白いものです。


この続きは 新海老人「お話 その弐」

覚技ワークス主宰 新海正彦