
自分は環境も含めて存在している』
『内面の問題は身体に現れている』
というのが、覚技が基盤としている考え方です。
たとえば、
「2人で組んで手の引っ張りあいっこをしましょう」
というワークをやったとき、人によって反応の仕方はさまざまです。
「わあ、面白そう!」と積極的な人もいれば、
「うわ、人の手を握るなんて苦手だな」と消極的な人もいます。
実際に引っ張り合うときも、笑っている人、真剣な人、
心配顔の人、腰が引けている人、肩が上がっている人、
よろよろしている人、手を握っていられない人、
ムキになる人・・・、いろいろです。
覚技ワークショップでは、そんなふうに無意識のうちに
自然と現れている個々人のちょっとしたユニークな反応を、
重箱の隅をつつくように(笑)細かくピックアップし、
そのことに自分自身で気づき、確かめ、別の反応の仕方を
経験してみたりします。
そんなふうにして自分の中に存在していた
「定型」にゆらしをかけ、新しい自分を体験します。
するとそのプロセスの中で本人は、
「ああ、自分ってこんなことをしていたんだ」
「こんなことを考えていたんだ」
ということに気づける第三者的な視点を獲得します。
このため以後はいつでも必要なときに、
自分が今何をしているのかということを
外から眺めて自分の心の位置やあり方を確認し、
いつもとはちょっと違う言動や反応ができるようになります。
そしてその経験を重ねていくうちに、
次第と自分の中に根づくどっしりした
「芯」のようなものが自身で感じられる
ようになってきて、人の価値観に左右されない
(=自分の価値観で動ける)自分を体験したり、
人の多様性が認められたり
(=他人を許容するゆとりができる)、
人間関係に余裕が生まれてきたりするようになります。
また、いつもと変わらない日々の生活が
何か楽しく新しく感じられたり、
「自分の中からそんな行動や
発想が出てくるとは思いもしなかったし、いまだに不思議」
という新鮮体験もしばしば経験するようになります。
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