自分を拡げて、世界を拡げる アクティブ・グラウンディング | 覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

覚技(かくぎ)とは、さまざまな心理療法に、武術や音楽やシャーマン的テクニックを取り入れた、こころとからだに目覚めをもたらすトレーニング・メソッドです。

グラウンディングするというと、
とかく瞑想やイメージの中で静かに大地とつながって
自分自身の存在力を強く感じるといった静的なイメージで
とらえられがちですが、毎日の生活というのはもっとアクティブです。

起きている間は皆、何かしら活動をしているわけですから、
動きの中でいつでもグラウンディングをできるというのが理想です。


道を歩き、階段を上り、電車に乗り、人と会い、誰かと話し、
文書を作り、計算し、勉強し、家事や育児をこなしている間にも、
いつでもグラウンディングして、自分を感じ、存在力を高める。
その方法を体得しようとするのが、「アクティブ・グラウンディング」です。


このワークで目指すのはただひとつ、
「今この瞬間、自分の身体の中にしっかり居ることを体験する」ことです。


“身体はもう一つの感情だ” と言えるくらい、わたし達の身体は
心の動きと連動して動いています。

心配事を考えるときは知らないうちに眉間に皺を寄せたり、
手で顔や身体を触ったりします。おそろしい場面を体験して
いるときはガチッと体中に力が入って緊張します。

一方、楽しいことを考えていると身体の力が抜けて
手足がぴくぴく踊り出したりします。
身体というのはそれほど正直にこころの動きと
シンクロしているのです。


覚技ではこの点を利用し、
逆に身体の動きからこころの動きへアプローチしていきます。

まず自分の身体を詳細に感じて、重心やバランスなど
身体の状態を調整します。こうすると身体は思わぬ力
(自分でも信じられないほどの力)を発揮するように
なります。


それは本当に不思議な感覚であり、面白い体験です。
「うわ、本当だ!」
「え~、信じられない!」
という声が毎回上がる瞬間です。

これこそが、
「自分の身体の中に居る」という体験に他なりません。


身体がそのように自由に力を発揮できる状態になると、
身体の中に本来存在している智慧や記憶といったものが
自然と発現し始め、今までどうしても解決できずにいた
問題の答えがどこからともなくフッと湧いてきたり、
自分の背後で起きている出来事まで感じ取れるほどの
察知力を使えるようになったりします。


その瞬間は、目や頭ではなく、身体全体で見て、感じて、
考えて、身体の中から答えが出てくるという感覚です。


これが人の身体が秘めている底力であり、その力を
日常生活の中で必要なときにいつでも使えるようにする
のがこのワークの狙いです。