佐藤嗣麻子監督『陰陽師0』 | 錆びた館 分館3

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のつづき

夢枕獏原作ではあるものの、安倍晴明と源博雅の出会いを描くオリジナル編。

以前の映画とちがって博雅が武士ではなく上級貴族なのは原作の3巻以降そうなってるのに合わせたからだそうで、それにあわせた筋立てになってる上に陰陽寮とはどういうものだったのかの紹介もあり、重要な役割の女性徽子女王(よしこじょおう)が実在の人物で三十六歌仙にも選ばれてる有名な人、なのですがそちらにまるでうといもので、いやこれはいい人を当ててきたものだなあと。演じる奈緒さん、これで初めて知りましたが品もあってぴったり。

晴明は見るからに眉目秀麗、博雅役染谷将太は同じ夢枕獏原作で空海を演じたときとまるで反対の、細かく喜怒哀楽を出す役どころ。またこういうのが上手い。陰陽寮の人たちも一癖も二癖もありそうな配役がそこまで含めて演出な感じ。

陰陽寮周りの美術もよくて大量の書物も実在の書名が書かれてるとのこと。肉体アクションもあれば特撮スペクタクルもあり、あらゆる風景などがやたら美しく、見せ方すべて見事なのだけど脚本家としても活躍する佐藤監督の手腕は今作の脚本でも十全に発揮されております。未見の方もいるだろうから話はこれ以上書きませんが加門七海さん監修の呪術関連もしっかりしてるし、奥が深いのに入門編としても普通に見られて、バディ物誕生編としてだけ見ても楽しめると思いますよ。

入場者特典。二周目からは別のものになってるとのこと。