【石井智恵・一般質問⑧ー四国遍路の世界遺産登録】(文字お越し) | いしいともえ公式ブログ【衆議院・愛媛1区】

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元愛媛県議会議員・看護師・国民民主党新人いしいともえの想いや日々の活動をお届けしています。



最後に、『価値あるものを次世代につなぐ』という観点から、四国遍路の世界遺産登録についてお伺いいたします。


世界遺産は、「戦争は人の心の中に生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」というユネスコ創設の理念のもと、


世界中の誰が見ても素晴らしいと思える顕著な普遍的価値のある遺産を、世界が保護していこうとする動きの中、登録制度が始まりました。



現在の登録件数は1121件となり、そのうち日本にある世界遺産は23件でありますが、国内で世界遺産がないのは、地域区分で見ると四国のみとなっております。


しかし、四国には、1200年前から受け継がれてきた四国遍路があります。


罪を犯したり、生活ができなくなった人が四国で遍路をし、お接待を受けながら地域に情報を伝えるなど、相互の関係性を築くとともに、


居場所を失くした人に生きる意欲を持たせ、亡くなった巡礼者には地域住民が遍路墓を建てて弔うなど、そこには弱者救済や人間の尊厳と平等、相互の尊重という概念が存在していると感じております。
  


また、巡礼スタイルが、約300年の間戦争がなかった江戸時代に温暖な気候の四国の地で庶民によって確立されていったこともまた、

世界にも類のない長い平和の恩恵であり、私は世界遺産に登録されるにふさわしい文化と考えます。


巡礼文化では、これまでスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラや紀伊山地の霊場等が世界遺産登録されていますが、

『同行二人』という『大師信仰』と『周遊型の巡礼』さらには、地域住民による『お接待文化』の存在は、
これらとは異なる価値があるものと考えます。


この四国遍路の世界遺産登録に向けては、
1998年に本県の仙遊寺が宣言文を作成し、署名活動が始まり、
2007年に「四国八十八箇所霊場と遍路道」を暫定一覧表記載資産候補として文化庁に提案したところ、



「生きている伝統を表す資産として価値は高い」とされたものの候補とはならず、
課題として、顕著な普遍的価値の証明や保護措置の改善と充実の取組みが不可欠であるとの提示を受けました。



その後、四国4県共同の推進協議会が設立され、本県でも八十八箇所霊場の基礎調査、遍路道の史跡指定などが行われておりますが、



私は本年1月に、愛媛大学で開催された四国遍路の世界遺産登録に向けた国際シンポジウムに出席いたしました。



その際、世界遺産登録の目的を踏まえ、国家間の境界を超越し、人類全体にとって現代及び将来世代に共通した重要性を持つような、



傑出した文化的な意義または自然的な価値である顕著な普遍的価値の証明をどうするかが
最大の課題であるとのお話を伺いました。



世界遺産に登録されるためには、顕著な普遍的価値を有する遺産として保護することが必要であり、



重要なポイントとして、四国遍路の歴史的な意味や影響をひもとくとともに、既に世界遺産に登録されているサンティアゴ・デ・コンポステーラや紀伊山地の霊場等だけではなく、



国内外の同種資産との比較研究にも取り組んでいく必要があると考えます。



現在、2025年の大阪万博において、四国遍路の文化を発信しようとする動きがあると伺っており、



それを一つの起爆剤として、世界遺産登録をさらに一歩進めていくこともできるのではないでしょうか。



そこでお伺いいたします。四国遍路の世界遺産登録に向けた普遍的価値の研究などの進捗状況はどうか。
また、今後どのように取り組んでいかれるのか、お教えください。



愛媛県議会インターネット議会中継
石井智恵(録画)
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