今後、人口が減ることは確実に決まっていて、
昔のような賑わいを取り戻すことも難しくなり、
「昔はよかった」と、寂しさを感じる人はさらに多くなるでしょう。
しかしながら全てを以前のように戻すことはできなくても、インターネットを通して世界と繋がることができ、
これまで訪れることがなかった人が訪れるようになり、新たなコミュニティが生まれる可能性は広がりました。
また、これまであったものを新たに作り直し、再び使えるようになったり、人に感動を与えるものができたり。
今ある当たり前のものが、100年後に価値を理解されることもあると思います。
全てを生かすことや維持することが不可能になった今、
私達がなすべきことは
「何を残していくのか選択して残し、
そこに人の知恵や技術を集中させること。」
「選択と集中」をやっていく。
その選択にはコンセプトが重要だと思っています。
鳥海山木のおもちゃ美術館のコンセプトは、
①木造校舎の佇まいを最大限に生かす
②多世代の住民が交流できる施設を目指す
③地元産の木材を活用、地元の職人の手で製作
④地域に古くから伝わる民具を有効に活用
これを徹底的に行った結果、地元の職人さんや地域の方、市民が一つの目的に向けて力を合わすことができていました。
少子高齢化に伴い、各世代での人との繋がりが希薄になった今、
多世代がまずは顔を合わせ、会話する場所をつくり、
地域だけでなく日本中や世界中からもそこに参加することができ(多文化共生)繋がる機会をもつこと。
地域ならではの産業を生かして次の担い手をつくるために、何を共通の資源とするのかを決めていくこと。
そこには今回視察した「地吹雪体験ツアー」のような「厄介もの」だったものを生かすことや
「シェアビレッジ」のような「みんなで出し合い、分け合う」考え方も参考になります。
愛媛県内の各自治体も人口減少対策は重要課題として取り組んでいますが、
その取り組みの中に、自分達の目指す方向を市民と考え、コンセプトを決め、集中させることが必要だと思っています。
今後も愛媛県議会の中で少子高齢化人口減少対策について委員会で継続して取り組んでいきたいと思います。
今回の視察で貴重な機会を頂き感謝しています。
引き続き県政発展のため、力を注いでいきたいと思います。