講演1「二元代表制論を超えて」
東京大学大学院法学政治学研究科教授 金井利之氏
「二元代表制」とは、都道府県知事、市町村長などの「首長」と「議会議員」はそれぞれ互いにチェックし合う関係にありますが、その首長も議員もどちらも『住民が選ぶ』、という制度のことをいいます。
一方、「議員内閣制」というのは国会で首相を議員が選ぶ、という制度のことです。
今、この「二元代表制」のあり方が議論されています。
例えば、ある町の町長の権限が強く、もしくは町長に追随する議員が多く、議会で質問する議員が少なくなってしまっている、というような現状であると地域の活性化はなくなってしまいます。
それぞれ住民から選ばれた立場であって、互いに意見をいえる関係になっていないのは問題であるということ。
今回、講師の金井教授から、「二元代表制」の歴史や流れについて話があり、そして新たに「討議広場代表論」についてのお話を聞きました。
知事や市町村長と議会議員が選挙で選ばれたあと「議論をする」、多様な意見を代表する議員が争点を明らかにし、意見を述べるような「討議広場」としての議会。
ライフスタイルが多様化し、価値観も様々な今の社会において、議会のあり方もまた変わっていかなければならないのだと思います。
議会議員としてこの二元代表制や討議広場代表制など、どうあるべきか、引き続き考えていきたいと思います。