ルイ7世の王としての覚悟と信念 | 過去世からのメッセージ

過去世からのメッセージ

前世療法で見た過去世の話しを中心に綴っていきます

チャットノベル『アラゴン王家の亡霊たち

の呟き』でフランス王ルイ7世について書い

ています。

 

 

ルイ7世とアリエノールについては驚くこと

ばかりですが、ルイ7世が最後に取った行動

についても驚き、深く感動しました。

 

1179年8月にルイ7世の息子フィリップが

急病にかかり、看病する中でルイ7世自身

も病気にかかり半身不随となって父子とも

命の危険に晒された中、病気治癒の祈願の

ために列聖されたベケットの祠を詣でるこ

とを考えます。

 

病気治癒の祈願だったらフランスにも立派

な聖人がいくらでもいるのに、なぜ最大の

敵ヘンリー2世がいるイングランドにわざ

わざ行こうとしたのか、伝説になっている

遠い昔の聖人ではなく、自分と同時代に生

きてよく知っている人物で聖人となったベ

ケットに助けを求めたのか、とにかく不自

由な体で敵地に乗り込むというのは並大抵

の覚悟ではできないと思いました。ただ1人

の息子フィリップが病気で亡くなれば後継

者がいなくなり、フランスはイングランド

に乗っ取られるかもしれない、それを避け

るための決死の覚悟でした。

 

ヘンリー2世も丁重にルイ7世を迎え入れ、

無事ベケットの祠を詣でたルイ7世は回復

したフィリップに迎えられてフランスに帰

国します。フィリップと母(ルイ7世の妻)

の対立がある中、フィリップは母とその

実家のブロワ家を宮廷から追放し、フラン

ドル伯の姪と結婚し、それを見届けてルイ

7世は亡くなります。波乱の多い人生、そ

して最後王家の血筋と国を守る覚悟や執念

にものすごく心を揺さぶられました。

 

私の過去世ラミロ2世は『ウエスカの鐘』

と呼ばれる粛清で多くの貴族を殺してい

ます。異教徒との戦いで勝てば英雄となる

時代に同じキリスト教徒の貴族を卑怯な方

法で殺すというのは並大抵の覚悟ではでき

ません。でもそうしなければ国が滅びると

いうギリギリの状況での選択です。私が

ルイ7世の生涯に深い感動を覚えるのは、

ラミロ2世として生きた時の覚悟があった

からだと思います。

 

現代の権力者や政治家は国を守るためと

いうよりも自分の立場や利益を守るため

の行動ばかりしていて、覚悟や信念はあ

まりないように感じられます。普通の人

でも本気で覚悟や信念を持っている人は

ごくわずか、ほとんどの人は自分にとっ

て都合のいい人と同じことをすればそれ

でいいと考えている、本気になって何か

やり遂げることはないまま人生を終えて

いるように思います。