新刊も良いですが、随分前に出版された古い本にも、当然ながら面白い名作がたくさんあります。
丸谷才一
出向を拒否して通産省を退官、大手民間企業に就職した馬淵英介は、ひょんなことから若いモデルと再婚する。
その再婚した妻の祖母は、なんと殺人犯。英介夫妻は刑期を終えた妻の祖母と同居することになる。英介夫妻と妻の祖母、そして女中との四人暮らしは思いもよらぬ方向へ。
そして、登場人物がそれぞれ「反乱」を企てるが・・・
本書は、サスペンスではなく軽妙洒脱なモダン小説です。当世浮世話とも言うべきユーモア溢れる作品です。
50年以上前の作品ゆえ、当時の社会情勢が垣間見えるのも興味深い。
丸谷才一の力作。谷崎潤一郎賞受賞作。