僕はてんかん持ちです。
発症して以来約26年もの間、いろいろな辛い経験をしてきました。
薬物治療だけでなく、脳外科手術を受けましたが、それでも今もてんかんと闘っています。
てんかん治療で、薬物服用を続けている方で、服用中の薬の血中濃度が正常範囲の数値になっているかどうかを確認するために、採血による血液検査をされた方の話を読みました。
そこで、検査結果の説明を主治医にされた時に、
「肝機能が悪化してるね。」
というような話をされたというのですが・・
採血した時に、肝機能の状態を確認するための検査値として同時に、「γ-GTP(ガンマー・ジー・ティー・ピー)」という値も結果表示されます。
これを医師が見て、「正常範囲を超えているから」・・と言うような説明をしたらしいのです。
γ-GTPの正常範囲って、検査値が男性が50以下、女性が32以下というものです。(単位は「IU/L」です。)
ですから一般的には、50を超えれば「要注意」、100を超えたら「肝機能障害、脂肪肝等の疾患の疑いあり。再検査せよ。」くらいの話です。
僕は年に1回は必ず、会社で健康診断を受けるので、その時にも採血します。そして「健康診断結果」には、同様にγ-GTP値には要注意の表示がされています。
ちなみに、僕の検査値はここ20年以上も100以下だったことなどありません。健康診断時(前日夜9時以降は、食事不可。少量の水は可。)でも180とか150とか、そんなものです。
ですから、『検査結果表』を見ると、必ず値の横に「H」※と記入されています。
食事後2、3時間なんて時に採血すればもっと高い数値が出ることもありますよ。
Hの表示は、「要注意」とか、「要再検査(精密検査要)」というものに表示される、「危険な状態」を示すものと考えていいと思います。
それでも僕の主治医(てんかん専門医)はこう言います。
「これは抗てんかん薬を飲み続けている限り、このくらいの高い数値になるのは仕方ないんだ。だから気にしなくていいよ。」
てんかん治療での採血結果では、「気にしなくていい」でいいのですが、
会社の定期健康診断結果では、こんな検査所見が必ず書かれます。
「肝機能障害の疑いあり。お酒やタバコは控えてください。専門の医療機関で二次検査を受けてください。」
(こう書かれていたら、二次検査を受けて、その結果を後日、人事に報告書を送付しなければいけないことになってるんです。)
僕はいつもこう思いますよ。
「タバコなんて吸っていないし、お酒は飲んでも月に1回程度、ビールを中ジョッキ1杯。何を控えるんですか?!その程度の嗜みもダメなんですか??」と。
二次検査は一応、かかりつけの内科へ行き、検査結果を見せた上で、「特に治療する必要はありません。」と確認していただいてますが、
二次検査のために内科通院すれば、医療費もかかるし余計な支出が発生するだけです。
そんなわけで、健康診断の際は、必ず医師と問診をしますので、5年前くらいからその時に、必ずこうお願いしてます。
「私は、既往症にてんかんがあるので、ずっと長い間、抗てんかん薬を飲み続けているので、γ-GTPの数値が高くなるので、『二次検査要』と検査所見に表記されます。
これは主治医にも確認してますが、抗てんかん薬服用のためです。タバコは吸わないし、お酒も月にビール中ジョッキ1杯程度しか飲まないのにです。
ですから、この所見を記入しないか、この問診での所見として『二次検査は不要』と追記してください!」
それで、検査結果表の所見にも、「γ-GTPの数値異常については、内容確認済。二次検査は不要。」
みたいな書き方をしてくれるようになっています。
話を始めに戻しますが・・
抗てんかん薬を飲み続けている人のγ-GTP値が100を大きく超えるようなものであっても、「肝機能が悪化してる。」とは言えないんですよ!
特に小さい子供さんなどだったら、お酒の影響なんて出るわけ無いですし、とんでもなく偏った食事とか続けたりしない限り、肝疾患だって簡単にはならないんです。
それでも、抗てんかん薬を長い期間飲み続けたり、多剤投与で何種類も飲んでいたら、それだけでもγ-GTP値はかなり高いものになるんです。薬を増量したり種類を増やしたりすれば、それだけでも数値が上昇するってわけです。
それでも、「γ-GTP数値悪化=肝機能悪化」とばかりに指摘されている方、もしかしたらそんな方が少なくないのではないでしょうか?
これって、いかにてんかんが「知らない病気」かを示す典型的なエピソードでしょうね。
でも、「主治医にそんなひどい診断をされているとしたら、そんな医師からは離れて、別の医師を探したほうがいいかもしれない。」
僕はこんなふうにすら思ってますよ。
ご参考までにですが