こんばんはスライム

前回の更新から2か月近くも経っていました。

今回は漢字の【左】と【右】の書き順についての記事です。

 

ペン字の練習帳や字典のはじめのほうに、間違えやすい書き順(筆順)の漢字として(と)が掲載されていることが多くあります。

それは、(1画目・2画目)の書き順がで異なるから。と同じ書き順であるも、よく一緒に載っています。

 

間違えやすいと言われるだけあって、と同様に ー → の順番で書く人が多いようです。

『筆順指導の手びき』の筆順の原則では「原則 1 横画がさき」とされているので、まあ致し方ないような気もしなくはない……。

しかし「原則 8 横画と左払い」において、”横画が長く、左払いが短い字では、左払いをさきに書く”として、右・有・布・希を例に挙げています。

 

  左と右の筆順「短いほうがさき」

いつもは漢字の成り立ちから書いていますが、今回は筆順(書き順)から。

 

『筆順指導の手びき』「原則 8 横画と左払い」

”横画が短く、左払いが長い字では、横画をさきに書く”

(左のほか、友・在・存・抜など。)

この原則に従って、左は1画目は横画、2画目が左払い

 

上述したとおり、”横画が長く、左払いが短い字では、左払いをさきに書く”

右は1画目が左払い、2画目は横画

 

 

  漢字の成り立ち

篆字

これまでの漢字の記事と同様に篆字を書きました。

 

左:(サ=左手)と(コウ)の組み合わせ。

 
右:(ユウ=右手)と(コウ)の組み合わせ。
 
口は象形文字で顔の口(くち)からできた漢字、と小学生のときに習いました。
が、どうやら口(くち)の意味だけでは説明できない漢字が多いそう。
言われてみれば、口のつく漢字に「何でくち?」と思ったことがありました。右もそう。どうして右には口がついているのか?
 
この記事を書くにあたり、右の成り立ちを調べていて、白川静氏(立命館大学名誉教授)の提唱する「口(サイ)=祝詞(神への祈りの文)を入れた器のかたち」との解釈がもっともしっくりきました。
右は、右手でサイを持っている形。
 
批判もあるようですが、くちよりはサイのほうが納得。ほかに石包丁説も見かけました。
批判する方々には、ぜひともこちらが「なるほど!」と思える解釈を教えてほしいです。

 

工は、私の持っている漢和辞典には定規と書かれていました。工具だったり呪具(呪術の道具)だったりを左手で持つ形みたいです。

 

     ↑

左払いになった部分に色をつけてみました。
篆字よりも金文のほうが分かりやすかったかもしれないと少し後悔真顔
 

 

  (超個人的)整った字形に見えるポイント ※ペン字

 

外形(文字のかたち)は高さのある台形
2画目【左払い】:文字の中心から書き始め、1画目の真ん中を通り、長く払う
3~5画目【工】 :文字の中心よりも右に
 
 

外形は逆台形

1画目【横画】 :長く、上に反るように書く(注意やり過ぎ注意)

2画目【左払い】:中心から書き始める
3~5画目【口】 :文字の中心よりも右に

 

 

正解の書き順はないとは言っても、文字の形を考えるとやはり、左は横画、右は左払いから書くというのは理にかなっていると思います。これが逆だったら字形が崩れてしまうから。

中には「右は横画から書くけど左払いを短くできる」人もいるかもしれないけど、文字の中心合ってますか?合わせられるんですね、すごいですね、と思ってしまいます。