大島からの手紙・・涙の朝潮橋編 | 大島からの手紙

大島からの手紙

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そんな訳で、冬のど真ん中の頃だ!皆、元気かー!
今年も義理チョコの季節がやってきた。

この時期、寒さに身体も心もやられがちだが、冬にも冬の良さがあるのだ。
熱燗も鍋も湯豆腐も、この時季だから美味いのだ。
俺も毎晩、晩酌で酒を楽しんでいる。

 最近はBS放送でフォークや演歌の番組が沢山ある。
この歌番組を観ながら呑むパターンがほとんどだな。
最近は演歌界のホープ「三山ひろし」がいるが、熊の高校時代に雰囲気が似ているのだ。
そんな感じで、やっぱり演歌と酒はとても合うのだなぁ。

 一方フォーク界は、今ユニット流行なのである。
「なごみーず」はガロの大野さん、正やん、太田裕美で構成されている。
そして「ブラザースファイブ」は杉田二郎、ベーやん、ばんばん、高山厳、因幡晃が組んでいる。
この間なんぞは、懐かしのポプコン2017ライブがあった。

このポプコンからは、中島みゆき、八神純子、ツイスト、ガム、チャゲアス等が生まれたのだなぁ。
チャゲと石川優子の「二人のアイランド」なんて懐かしいなぁ。
ガムはいま一人で葛藤しているみたいだが「愛はかげろう」は今聞いても良い曲だ。
そしてたぶん知ってる人は少ないと思うけど「浜田良美」という人がいたんだなぁ。
良い歌だったんだけど、ほとんど売れずに消えていってしまったのだ。
うーんポプコン懐かしいなぁ。

そんな訳で、今日の一曲目はもちろん郷ひろみの「お嫁サンバ」で決まりなのだ。
俺たちの高校時代の女性陣は、だいたい秀樹・五郎・ひろみの三派に分かれていた気がする。
俺も「よろしく哀愁」「私鉄沿線」「ブルースカイブルー」は今でも好きだ。
しかし、ひろみ郷はいまだに歌も踊りも凄すぎるのだ。
まぁこんな寒い冬の時季は、熱燗で心を温めて、昔の歌や映画で元気をもらうのが一番だ。

 俺はこの時期になると「ロッキー」を観たくなるんだよなぁ。
そして必ずラストで涙を流すのである。
そうすると、まだまだ俺の心も熱いものがあるんだなと確信するのだ。
話はだいぶそれてきたが、そんな訳で今日の二曲目はクリスタルキングの「大都会」で行ってみよう。
そんじゃらば前置きはこれくらいにして、皆様お待ちかね「大島からの手紙・・涙の朝潮橋」のはじまりはじまり。

その頃の俺は、京商の隣の学校に入学して、1年生としての春をむかえていた。
そんなまだ初々しい5月の頃の話である。
学校にも慣れ始め、友達もでき、日々燃えていた頃、出会ってしまったのだ、あの人に。
この大島からの手紙にも何度か登場している、あの「百瀬さん」である。

 確か体育館で体操をしている姿を見た瞬間、俺の身体に春一番が吹いたのだ。
一目惚れだったなぁ、完璧にやられました。
俺が1年で百瀬さんは3年、そうまったく高校生の時と状況は一緒だったのだ。
俺が高校1年、八木さんが3年、これはまたまた運命の悪戯なのかと思った。
それから1年間、百瀬さん命の日々が始まったのだ。

 楽しかったなぁ、学校に行けば大好きな人に会える、ただそれだけで良かった。
その頃の3年生の先輩たちは皆良い人ばかりだった。
毎週、学校帰りに月島のもんじゃ屋や、門仲の「のんべぇ」「あさ月」等に誘われた。
そこで人生のためになるお話を聞いていたのだ。
俺の性格上そんな場所でも百瀬さんに「好きです!」と半分本気で言っていたのだ。
彼女は大人なので「星野君、またまた冗談ばかり」とうまくかわされていたのだった。

 八木さんの時は俺はまったくのガキだったから、まともに世間話などできなかった。
ただただボーっと見とれていることしか出来なかった。
でも百瀬さんのときは、俺もだいぶ成長したのか、世間話や人生の話など大人としてつき合えたと思う。
あの時の1年間は、百瀬さんの笑顔だけで生きていたのだなぁ。

そして今日の三曲目はツイストの「燃えろいい女」なのだぁ。

そして楽しい日々はあっという間に過ぎ、卒業の季節がやってくるのだ。
俺はこのままじゃいかん、やはりきちんと気持ちだけは伝えなければと思った。
そして意を決してデートに誘い、自分の気持ちを伝えたのである。
百瀬さんは、とても優しく気遣いの出来る人だった。
いつも他人を裏方で支えるような人で、そして元気付けてくれる人だった。
そして俺の気持ちを聞いた彼女は、自分の気持ちも言っておかなければと語ってくれたのである。
まぁここは過去にも書いたと思うので割愛するが、結論から言えば実らぬ恋だったということである。

でもそんな恋ではあったが、俺の人生の中では充実した日々であったと、彼女に感謝せずにはいられないのであった。
そんな卒業していく彼女に、俺は手紙を書いたのだ。

 3月13日(木)晴れ
贈る言葉
百瀬さん、卒業おめでとうございます。
この前はすいません、私の我がままを聞いてもらって
やっぱり自分の気持ちを言って良かった
あなたの心を言ってもらって良かった
人は誰でもくじけます、だからこそそこから立ち直ろうと頑張るのです
俺だってへこたれます
でもそこから前へ進めば良いのです
あなたは素敵な人でした
人を好きになることの大切さを、俺は教わった気がしてます
俺はあなたの子供のような所が好きです
確かにしっかりしてて、他人に悩みを見せないようにしてるけど、そんな中でたまに少女のように思える時があります。
一度きりの人生です、自分の思うように精一杯生きていくのが本当だと思います。
自分の人生の中では誰もが主人公、百瀬さんが幸せになれるように俺はいつも祈ってます。
今まで一年、こんな俺の話を聞いてくれてありがとうございました。
これは俺の百瀬さんへの感謝の手紙です。
そして海援隊の「贈る言葉」のレコードをあなたへプレゼントしたいのです。
それではお元気で・・・・

 とまぁこんな手紙を書いたのだった。
俺は学校の帰り道「朝潮橋」のたもとでこの手紙を渡すために待っていたのだ。
まだ冷たい風が吹く早春の頃、春の星空を眺めながらたたずんでいたのであった。
あれから約40年と月日は流れたが「朝潮橋」に春吹く風は、あの頃と変わらず心に吹いてくれるのだろうか。
とまぁ、この時季になるとこんなことを思い出してボーっとしている俺なのである。

この冬が過ぎればまた春はやってくる。
これだけでも今は幸せな気持ちになれる今日この頃の俺なのだ。
皆も色々あるだろうが、あまり無理せず自分の心のペースを大事にしながら日々楽しく生きていこう。

 俺もまた皆と会える日を励みに、頑張って日々働くよ。
忘年会は楽しかったよなぁ。
そんな訳で、次回「大島からの手紙・・春の風と矢島の燃える恋の物語」に続くのだ!
それでは今日はこのへんで勘弁してあげよう!じゃんじゃん!