全24話

英題: Shining for one thing


一闪一闪亮星星 完走


みなさんは自分の高校時代のことをどれだけ覚えているだろうか?もちろん仲の良かった友達や、嫌いだった教師、好きだった男の子の事は良く覚えているだろう。


では、違うクラスのほとんど会話をした記憶もないような同級生はどうだろう?私は名前を聞いても思い出せる自信がない。卒業して10年も経てば誰しもそうに違いなく、このドラマのヒロインである北星も当然そうだった。


だがもし、名前も顔も思い出せないような同級生が実は命懸けで自分を守ってくれていたとしたら?


一言でいうと、

最終回まで見た後は1話のヒロインを全力でぶん殴りたくなること間違いなし!な、ドラマです。



イントロダクション


林北星(张佳宁)



30歳手前で同級生だった婚約者に捨てられた挙句、仕事もつまずいて人生どん底に。そんな中、ふいに手にした昔のガラケーの中に残っていたメッセージを削除した途端、高校時代にタイムトリップしてしまう。これはチャンスとばかり彼女は人生をやり直そうとあれこれ知恵を巡らすことに…。



張万森(屈楚蕭)



タイムトリップを利用して人生の再起を狙う北星だったが、準備万端で入試に挑んで成功しても、なぜかその後、必ず現在に戻されてしまう。その原因を探るうち自分と同学年だった 張万森という少年が大学入試後に灯台から転落死していた事件を知る。北星は彼の死とタイムトリップの中断が関係していると確信し、彼の死を食い止めるべく一人奮闘を始める。



感想


このドラマにサブタイトルをつけるなら、

「被害者Xの献身」

で間違いないだろう。被害者というのはもちろん灯台から転落死した張万森を指す。


初回、ヒロインの北星は万森の事をまるで覚えていない。高3の夏に彼が死んだことさえ知らなかった。同じ高校の生徒が不慮の死を遂げれば仲良くはなくてもニュース位は伝わると思うのだが、当時の北星にとっては彼の名前は記号と同じでたとえ見聞きしたとしても何の感情も湧かなかったのかも知れない。


タイムトリップした彼女の狙いは良い大学に合格し、一流企業に入社して、自分を捨てた元カレよりもスペックの高い男をゲットしてやるわ!みたいな野心のために、記憶の片隅にもいなかった万森が死なないように死因を探りつつ守り抜く決意をするんだけど、共に時間を過ごすうち、見知らぬ同級生「X」だった彼がいつしか張万森という名を持った特別な人に変わって行く所が大きなターニングポイント。

で、そのうち入試のことなんかどうでも良くなって、とにかく彼を危険から遠ざける為に全力で奮闘する、まぁ言っちゃなんだがありきたりな良くあるラブコメストーリーかと思ったら…

まぁ、後出しの多いこと!

そしてそれが半端なく
セツねぇこと!

守ってくれてたのは
お前だったのかー!
(ごんぎつね並の衝撃が何度も走る)


万森くん

この子はね、人魚姫なんですよ。
王子さまの命を救ったのは本当は自分なのに
それを言い出すこともせず
ただひたすら王子様と偽物がいちゃつく様を
見ているしかない不条理
そして最後は泡となって消えていく…泣

儚い!
尊い!
泣く!

主演の 屈楚蕭 と言えば先日見た映画


「あなたがここにいてほしい」



の記憶がまだ新しいが、その時は咥え煙草に坊主頭。彼女に対してガバッ&ぶチュッが激しいイメージだったので今回の万森とは全く違うキャラだ。

万森は「晩媚と影」の長安に近いかな。


彼はオラオラ系も純情系も上手なんだよねー。

一重の目が真っ直ぐで。

視線に重みがあるというか。

ご本人の性格はどっちかと言うとオラ系?だと思うんだけど役者としては変幻自在。素晴らしい👍


左:晩媚と影

右:あなたがここにいて欲しい


万森のカエルのレインコート姿は必見ですわ。


ヒロイン北星を演じた張佳于は、明蘭・大唐見聞録以来久々の視聴。元々好きな女優なので見ていてストレス無く安定感があった。高校生のミニスカ姿も何とか合格ライン。

(なんと1989年生まれ


ただ二人のラブシーンにあまりキュンとかは感じなかった。今作はひたすら切なさメインで堪能するのが良いかも知れない。



ただ、一つだけダメ出しするとすれば、北星の知能かな。彼女は30歳近くでそれなりに社会経験も積んでるから高校生と比べたらはるかに大人なはずだけど、タイムトリップすると精神年齢も若返ってしまうのかなんか子供っぽかった。


特に終盤、全ての謎が解けたあとの行動が無謀すぎ。高校生ならあれで仕方ないが、もう少し大人の知恵を使いなさいよ!ってツッコミたくなった。


サブキャラ


サブキャラも良かった!

みなさま好きだと思うけどお気に入りはこの子。


麦子(蒋昀霖)


台湾の俳優さんですね。

万森との友情を最後まで貫いて健気やった。

優等生と半グレ君の友情は「少年の君」も好きだけどなんかやられてしまうわ。

この子が最終的にどうなったのか10秒で良いから映して欲しかったわ泣

きっと幸せになっていると信じたい。


杨超洋(骆明劼)右

高歌(傅菁)左



タイムトリップしなければ仲良くならなかったこの二人も良かった。高歌ちゃんは最初登場した時、女装した男の子かと勘違いしちゃったよ。前髪のせいかも知れないけど、なんか雰囲気が栗原類くんに似てるよね。


展于(吴希泽)


元カレも嫌いじゃなかった。

自分に纏わりついていた女が急に離れ、違う男に鞍替えしてから初めてその子の価値を知る、みたいな場面も思春期あるあるだなーって思った。

中身がアホなだけで嫌な男じゃないよね。中高時代はスポーツできる男しか目に入らない年頃だからこういう彼がとにかくモテるよね。今の歳になれば真っ先に万森みたいな子を選ぶわ。



ラストは?


ほぼ同じキャストで製作された映画版があるけど、見た方の感想を読ませてもらったら、どうやら並行世界の別の物語っぽいようです。

ああ、どうせなら正規の続編を見たかったなー。



あのまま婚約破棄されず何ごともなく暮らしていたら北星は見せかけの友情や、上部だけの愛しか手に入れられなかったかもしれない。自分のやりたい事も分からず無為に時間を過ごしていたかも知れない。そう考えると婚約破棄されて良かったかも。


だけどタイムトリップはプラスに働く面ばかりじゃなくて、時には残酷なルールが待っていることもある。一つの選択が別の世界の扉を開けてしまい、元とは同じ世界には戻れない場合もある。


昨今のタイムリープものは単純じゃなくて、リスクを背負うタイプのものもあり、とても奥が深いなぁと感じた。


皆様、ラストはその目で確かめて下さいませ!

日本に入ってきても良い頃だけど、全然噂は聞かないね。時をかける愛みたいにヒットすると思うけどなぁ。


ではまたパー



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