2016年9月の読書メーター | 本との出会いは、師との出会い。

本との出会いは、師との出会い。

智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:7冊 読んだページ数:1978ページ
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キウイγは時計仕掛け (講談社ノベルス)キウイγは時計仕掛け (講談社ノベルス)感想
βを読み終えて約1ヵ月、Ⅹシリーズ3冊、レタス・フライを読み、盤石の備えで読み始めたγは、冒頭から萌絵、犀川、国枝と、S&Mシリーズから始まった壮大なサーガを彩る首謀者が登場し、期待が高まったが、正直、肩透かしを食らった…何時ものように、背景が描かれず感情移入できない人物が、感情移入できない人物に殺され、誰が、何故、どのようにしてという部分が曖昧なまま解釈を読者に委ねられるという釈然としない感じが残る。主に物語の語り役を務める加部谷と雨宮は、彼女たちのキャラと会話を楽しむ趣向なのだろうが力不足を否めない。
読了日:9月27日 著者:森博嗣


なぜ、エクゼクティブは書けないペンを捨てないのか? (なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?)なぜ、エクゼクティブは書けないペンを捨てないのか? (なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?)感想
「来ない人は、いない人。電話をくれない人もいない人。たいていの顧客は、自分をほったらかしにしている売り手などからは買わない。本当の意味でモノを売るということは、顔を合わせてお客様の声に耳を傾け、見つけたチャンスをすかさずつかむということである。営業の仕事の要と言えば、一にも二にも顧客を訪問することだ。幸運の女神はその場に行った人にしか微笑まない。」確かに人となりに触れるもらう機会が多ければ多い程、思い出してもらえる可能性も高くなる。モノを売るのではなく人を売れ!と言われるゆえんもここに凝縮されているのだ。
読了日:9月24日 著者:パコ・ムーロ


最少の時間と労力で最大の成果を出す 「仕組み」仕事術最少の時間と労力で最大の成果を出す 「仕組み」仕事術感想
職場がフリーアドレスになって、本を置くことが出来なり、自宅に持ち帰った本…「仕組み仕事術」を導入する目的は、仕事を何十倍というスピードでできるようにすることで、その空いた時間を人間が本当にやらなければならないこと「アイディアを考えることなどクリエイティブな仕事」に費やすためです。先ずしなければならないことは、仕事を「仕組化が必要な作業系」と「時間と労力を費やすべき考える系」に分け、作業系の仕事を仕組化することで、徹底的に楽にやることを追求し、考える系にひたすら時間と労力をかけられる状況を作り出すことです。
読了日:9月24日 著者:泉正人


レタス・フライ Lettuce Fry (講談社文庫)レタス・フライ Lettuce Fry (講談社文庫)感想
冒頭に収められている「ラジオの似合う夜」を読んだ時の喜びは、呟きにもさんざん書かせていただきましたので割愛しますが、巻末の「ライ麦畑で増幅し」も、私にとってとても嬉しい物語でした。これは『イナイ×イナイ』が刊行された'07/5に初出した話ですが、Xシリーズの3巻目に当たる『タカイ×タカイ』までを読み終えたこのタイミングで出会えたことで、よりしっとりした感動を味わえました。森先生は、このようなサプライズを演出することがとても上手く、読者は期待していなかったギフトのリボンを解く度に目頭を熱くしてしまうのです。
読了日:9月17日 著者:森博嗣
タカイ×タカイ CRUCIFIXION (講談社文庫)タカイ×タカイ CRUCIFIXION (講談社文庫)感想
『タカイ×タカイ』は、Xシリーズのスリリングさに、森先生らしいトリックを加えたスキのない作品で「最後をエレガントに成長した萌絵が締める」というゴージャスな展開です。物語の中では飲み物を残す萌絵ですが、読者はフルコースをデセールまで楽しんだ満足感と後味の良さが得られます。メインキャラであるはずの、鷹知、小川、真鍋も、凡人?らしい可愛らしさがあり、中々いいを味出していますが、今の萌絵に太刀打ちできるのは、もはや犀川先生か四季だけなのではないか?という感じです。ところで、森先生は、Xシリーズで何をしたかったの?
読了日:9月12日 著者:森博嗣


キラレ×キラレ CUTTHROAT (講談社文庫)キラレ×キラレ CUTTHROAT (講談社文庫)感想
所々に、哲学的な言葉が無造作に落ちているので、それを発見し拾い集める楽しみはあるものの、『キラレ×キラレ』は、森先生らしさの薄いありふれたミステリーだと思う。しかしながら、プロットにはオリジナリティが感じられるし、程よい緊張感とスピード感を伴って進行する物語が、とても読みやすく。初めて森先生の作品を読む読者は、いきなり『すべてがFになる』から始めるよりも、“Xシリーズから読んでみる。”というのも良いかもしれない。そういう意味では、口当たりがあまり良くない『イナイ×イナイ』と順序が逆だった方が良かったかも。
読了日:9月8日 著者:森博嗣


イナイ×イナイ PEEKABOO (講談社文庫)イナイ×イナイ PEEKABOO (講談社文庫)感想
Gシリーズは、ギリシャ文字による各巻の繋がり、インターネットからの勧誘が疑われる連続自殺、背景に横たわる宗教の影など社会問題との関係を感じさせる物語であるが、Xシリーズは、小さく閉じだ世界で起こる奇怪な事件を扱ったものだ。それは、読者が感じた通りのものなのか、それとも壮大な物語に繋げるために、読者を欺く表向きだけのものなのか、現時点では分からない。いずれにしても、主人公たちに直接危険が降りかからないGシリーズに比べ、緊張感とスピード感が加わった展開が手軽に楽しめる。徐々にキャラクターも際立ってゆくはずだ。
読了日:9月5日 著者:森博嗣

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