キウイγは時計仕掛け | 本との出会いは、師との出会い。

本との出会いは、師との出会い。

智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

 S&Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズ、Gシリーズ、Xシリーズと続く壮大なサーガを走破するために、避けては通れない道なのだろうが、蒔かれた謎の殆どが回収できず脱力感だけが募る感じなのは、私だけなの?

 『ジグβは神ですか』を読み終えて約1ヵ月、Ⅹシリーズ3冊、レタス・フライを挟み、盤石の備えで読み始めた『キウイγは時計仕掛け』は、冒頭から西之園萌絵・犀川創平・国枝桃子・島田文子という、S&Mシリーズから始まった壮大なサーガを彩る首謀者が登場し、期待が高まったが、正直、肩透かしを食らった感じだった。

 いつものGシリーズのように、ほとんど背景が描かれていないために感情移入できない人物が、これまた感情移入できない人物に殺され、誰が、何故、どのようにしてという(そもそも森先生が描くつもりもない)部分が曖昧なまま物語が進行し、殆どの解釈が読者に委ねられるという釈然としない感じが残る。

 物語の語り役を務める加部谷恵美と雨宮純に委ねたのは、逡巡しながらも奮闘する彼女たちの成長する姿と、遠慮がないように見えて相手を気遣う会話を楽しむという趣向なのだろうがが、ストーリーをドライブさせるという意味では、力不足が否めない。

 

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