久しぶりに 地図のことを書きます。
住宅地図市場は、いちはやくデジタル対応に成功したゼンリンのひとり勝ちで
ほかの出版社は駆逐されちゃいましたが・・・・・
今日は、それ以外の地図の出版社の話。
話を広げたくないので
「東京の区分地図」だけに絞って
懐かしい地図の表紙を集めてみました。
エアリアマップ
(昭文社)
ユニマップ
(人文社)
キャピタル
(東京地図出版)
コンサイス
(日地出版)
スマホやナビのなかったころには
こういう地図や道路地図がどこのお家にもありましたよね。
こういう、左隅が綴じてあるタイプと・・・
真ん中で綴じられていているタイプがあって
だいたい正方形に近い感じ。
真ん中で綴じてある方が見やすいんだけど
古くなるとバラバラになっちゃうのよね~
前置きが長くなりましたが、
タイトルの「和楽路屋(わらぢや)」という愛嬌のある名前の地図やさんのこと。
もともと関西の会社ということもあり、
私はここの地図を見たことがありませんでした。
私がこの名前を知ったのは、
街歩きの本をたくさん書いている鈴木伸子さん(元「東京人副編集長)の本からです。
この左側の「東京『昭和地図』散歩」という本です。
この本には、左のページに昭和30年代のタウンマップが、
そして右のページに現在(といっても2012年)の比較地図があって
50年以上たっても変わりなくある店や
すでに消えてしまったけれど、それについて語りたい店に印がつけられています。
昭和30年代といえば、まだアングルもぴあもなかったですよね。
住宅地図もほとんどなくて、火保図が頼りの時代ですよ。
「いったいどこにそんな地図が?!」と思ったら、
それが和楽路屋(わらぢや)の東京区分地図帖だったのです。
鈴木さんはこの本を90年代に神田の古書店(泰川堂書店かな?)
で購入し、いつも手放さなかったとか。
きっと鈴木さんの人生を変えた一冊かもしれませんね。
この本↑だそうです
画像にもあるように、
表面はさして特徴なく町ごとに色分けされた普通の地図ですが
この裏面に あのタウンマップが載っているみたいなのです。
私の持っているコンサイスだと、裏面は主要部の詳細図↑で
まあまあ詳しいですが、お店の名前までは載っていません。
ほかの出版社のでも、
施設の一覧とか、駅の構内図とか、路線図とか、そんな感じ。
ほとんどのタウンマップは、鈴木さんの本に転載されているので
「オークションで探して手に入れたい!」とまでは思わないですが
ちょっと一目、見てみたいですよね~
ただ、こういうバラバラになってしまうような地図は
図書館では扱いづらくて置いていない予感。
「和楽路屋」で検索すると、
「デラックス版」の外側にさらに堅牢な表紙をつけたものがいくつかヒットし、
そのなかで禁帯じゃないのは
昭和50年発行の1冊だけでした。
左が昭和50年のデラックス版、
右が昭和36年のハンディタイプ
(この画像は鈴木さんの文庫本に転載されたものなので
色付けがされていますが、オリジナルはモノクロです)
裏面の詳細図を同じ銀座で比べみたら、
デラックス版のほうは、ビルの名前や大きなお店のみです。
これは地図の種類というよりも、
昭和36年と昭和50年の違いでしょう。
お店の数が増えすぎて
網羅できなくなったからなのでしょうね。
「昭和30年代の和楽路屋の区分地図帖が欲しい~!」
ということで、おそるおそるオークションサイトをのぞいてみました。
これは1万円で売り切れでしたが、
紙のカバーが破けて
ちらりとのぞいた本体の表紙(白とグレーの縞模様)
が 鈴木さんの本と同じだ~!
こういう地図は、マニアが放出するのよりも
「実家を片付けていたらこんなのが出てきました~」
といってメルカリに出しちゃう人から買った方が安く買えそうですね。
ただ、あまり興味ない人(失礼!)が出品しているから
「何年のものかはわかりません」「すごく古いです」みたいな書き方が多くて
ちょっと唖然・・・・(笑)
「和楽路屋」と書いてくれていないのもありそうです。
書き込みとか、しわとか、破れとか、
そんな写真を丁寧に載せなくてもいいのにね。
そのなかで、とりあえず、
ものすごく安かった、昭和42年の「東京全図」だけ購入しました。
そしたら、「和楽路屋 東京」発行と書いてあって、神保町の住所が書いてあり
どのへんだろう?と思ったら・・・・
ちゃんと地図に載っていました(笑)
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