中国華南・改善道場 -2ページ目

第一期公開改善道場

第一期公開改善道場を開催します.
改善道場とは

改善道場は,通常一つの企業内で開催します.
公開改善道場は,異なる企業の改善チームが一緒に改善活動を実践する公開研修型の,改善実践講座です.

QCサークルの進め方の講義と,各チームが取り組む実際の改善課題の実践をサポートします.
6名前後の改善チームでご参加いただきます.全6回の講座の中で改善課題一テーマを完結していただきます.

QCサークル活動未経験,または始めたばかりの方の為に,QCサークル活動を一から教えながら,実践活動をしていただきます.
QCサークル活動を導入したい企業様,QCサークル活動を活性化したい企業様にご参加いただくのが最適です.

★☆ 第一期公開改善道場 ☆★

開催日:10月20日(土)9:00 ~ 16:00
研修期間:6ヶ月(原則毎月第三土曜日)
参加チーム数:6チーム限定
開催場所:東莞市南城区鴻福路口 新城国際酒店
講師・サポーター:林徹彦(日本人)
         向三元(中国人)
料金:2,000元×6回/1チーム



6ヶ月に一度,6チームだけ参加可能です.

お問い合わせは,電話:186-8104-5581(林)
またはE-Mailにて(右はじのアイコンをクリックください)中国華南・改善道場-Mail

取り置きのムダ

多くの工場で,取り置きのムダに気が付かずに作業をしている.
いくつか事例を紹介しよう.

  • 半自動機で部品Aに部品Bを圧入する作業
     部品Aに部品Bを全てセットした後に,半自動機で圧入作業をする.


  • 検査作業
     検査済み品を梱包箱に入れるため,検査前に梱包箱を組み立てておく.


  • 検査済みマーキング作業
     検査完了品を作業台に並べておき,まとめてマーキングする.


  • 梱包作業
     製品を個装箱に入れパレットに積み上げる.パレットがいっぱいになると集合梱包箱に入れてパレットに積み上げる.


  • 出荷作業
     製造部でパレットに積み上げた製品を,出荷用パレットに積み直す.



まとめて作業した方が効率が良いと言う思い込みで,取り置きのムダに気が付かなくなる.

「工具を持ち替えなければならないので,まとめて作業した方が良い」と反論する現場リーダがいる.

しかし,
「工具を持ち替えなくて済むようにまとめ作業をする」のではなく,
「まとめ作業をしなくて済むように,工具の持ち替えをなくす」
こう発想するのが,改善の原点だ.

改善ができない現場リーダは必要ない.
改善ができる様に指導をしなければならない.

まず問題を問題と気が付く眼力をつける.
個人差はあるが,素直で向上心さえあれば,2,3回の指導で気が付く様になる.


改善事例について「第二回中国華南モノ造り交流会」で話をさせていただくことになりました.

1%の可能性と1%の心配

 経営とは,矛盾を調和させることだ.

1%でも可能性があるのならば,果敢に挑戦する.
99%安心でも,残りの1%を心配する.
この矛盾する二面性を,経営者は併せ持っていなければならない.

新製品の開発,新規事業の開発は,1%でも可能性があれば,果敢に挑戦する.
諦めなければ,きっと実現するはずだ.
1%というのは言い過ぎかもしれないが,日本企業の経営者は,99%確実でも石橋を叩いているうちに,好機を逸してしまう例が多いのではないだろうか.

先見性のあるアイディアも,稟議を上げればもっと調査を要求され戻される.
上に上がるたびに調査をし,社長に届いた頃には,凡庸なアイディアになっている.それよりも「前例がない」と早々につぶされる.
前例があるアイディアに新規性などないことが分かっていない.

活力のある企業は,アンダーベンチを推奨し,失敗さえ事業化してしまう.

中国人経営者の決断スピードを少しは見習わないといけない.
彼らは,石橋がなくても吊り橋で向こう岸にわたる.時には他人の石橋をちゃっかり拝借する.儲かりそうだと思えば,すぐに動く.

彼らの射撃術は,構えたらまず撃つ.その後狙いを定める.
まず撃ってみて,足りない技術や人材はその時点で補充する.
撃たなければ分からないこともあるはずだ.構えて狙ってから撃ったのでは遅いこともある.

一方日々のオペレーションは99%確実でも,1%の不確実に備える必要がある.
もちろん毎日1%を心配していたら,夜も眠れないだろう.
1%が起きないように,または起きてしまった時の対応をシステム化しておく.


こちらの方は,中国人経営者の方が大胆豪放だ.
気が付かないのか,無視しているのか,50%不確実でもゆけゆけで痛い目に遭っている.そういったら言い過ぎだろうか(笑)

うまくゆかないのは,今までの方法でやっているから

改善格言:6
うまくゆかないのは,今までの方法でやっているから


今までと同じやり方をしていては,改善は出来ない.

同じやり方で生産性を上げようとすると,作業者に「頑張れ!」というしかない.
作業者の頑張りで生産性を上げるのは,改善とは言わない.「労働強化」という.

新幹線はそれまでの常識をひっくり返して,高速で安全・安定した走行を可能にした.
線路の幅を広くする.
カーブをなくしまっすぐ走らせる.
線路と車輪にガタがなければ脱線するという従来の常識を捨てて,ガタをなくした
新しい方法を採用したから,高速走行をしても安全で,なおかつ静かな乗り心地も実現できた.

新しい方法を採用して改善することを「新幹線方式」という.

人間は新しいやり方に抵抗感を持つものだ.
特に現場の組長・班長さんたちは,今までのやり方がうまくできることを評価されて,その職位を手に入れている.今までの方法に,恐怖感を感じるものだ.

班長・組長さんや作業者に,新しい方法に取り組む勇気を与えるのも,改善リーダの役割だ.

在庫は七難を隠す

改善格言:5
在庫は七難を隠す


現場のリーダ達は,中間在庫を持ちたがる.
納期遅れを恐れるため,できるところまで造っておいておく.
納期遅れで部品が欠品している.それでも途中まで造ってしまう.部品が届いたところで,全員投入して一気に仕上げるつもりだ.

納期は間に合うが,多くの「難」を隠してしまうことになる.
調達遅れと言う問題が,結果オーライをなる.本来納期遅れが再発しないように改善をしなければならない.

いつもと違う工程で生産することになるので,品質リスクを背負うことになる.
途中まで完成した中間在庫を,あちらにやったりこちらにやったり,ムダな運搬が増える.
当然運搬中や保管中に問題が発生することもある.

中間在庫をしまっておくスペースも必要となる.

サブユニットを組み立てて,半完成品倉庫にしまっておく.
メイン組み立てを始める時に,サブユニットを投入する.このときにサブユニットに不良が見つかると,すでに生産が終わっているので,改善のしようがない.不良が含まれるサブユニットを選別・修正しながら生産することになる.改善のチャンスを失い,生産性も悪化する.

まとめ造りをして中間在庫をたくさん抱えると,いろいろな問題を抱えることになる.

中間在庫を持たず,水が流れるように生産するのが,効率も品質も良くなるはずだ.