「み、みんな、おはよう。」

元気に教室のドアを開けて中へと入る。

「うーっす。」

「先生なんかはりきってるー」

あちこちから適当な返事が返ってきた。

教室内を見回すと、昨日の〝京也″と言う生徒がいた。

ちょうど目があった。

京也は僕に向かってニコっと笑う。

・・・ドキッッ・・

笑った顔がとても綺麗で、思わず目をそらしてしまった。

***休み時間***

「せーんせいっ♪」

ちょうど階段を降りていたときだった。

「あっ・・・京也・・・。」

「ふーん。先生、呼び捨てで呼んでくれるんだ。なんか嬉しいなっ。」

「いや、そういうわけじゃなくて・・・」

「そっか・・・みんな呼び捨てで呼んでたっけ・・・」

少し寂しそうな顔をする。

「いやっ・・・ごめっ・・みんなと同じってわけじゃなくて・・・」

「へぇ・・・じゃぁ、俺は特別ってことですね。」

ニヤっと笑う。

「うっ・・・」

「ふふっ・・・先生やっぱ可愛いっ。」

僕に近づいてくる。

昨日の事を思い出してドキドキしてしまう。

「ははっ、目なんかつぶっちゃって・・・キスして欲しいんですか?」

笑いながらそう言う。

「えっ。いや・・・たまたま閉じてしまっただけで・・」

京也の手が僕の頭にまわされる。

「えっ・・・」

・・・・ちゅっ・・・

「な・・・なにするん・・」

2回目のキスをしてきた。

さっきよりも激しく思わず声が出てしまった。

「んっ・・・!ぁっん・・・ぁぅ・・・はぁっ・・・」

ようやく唇が離れた。

「先生、学校でそんな声だしちゃダメですよ?」

顔が真っ赤になる。

「じゃぁ、俺帰るからまたねー。」

と、言うと階段を降りだした。

「えっ・・まだ授業が残って・・・」

「竜先生の授業じゃないから関係ねーもん。」

と、言い残すと帰ってしまった。

・・・・・。

えぇっと、これは帰してしまったがいいのだろうか?

僕の授業じゃないから関係ない・・・か。

なんか少し嬉しかったりもする・・・。

って、ダメだよ!そんなこと考えちゃ。

でも・・・キスされたし。

どうしよう・・・。恥ずかしくて会えないな・・・・。

男子生徒とキス・・・なんてしちゃダメだよね・・・?

でもっ、すごくドキドキしたし。

その日はすごく変な気持だった。

また・・・会いたいな。

僕は竜。今年、高校の先生となる。

「すー・・・・はぁー・・・」

大きく深呼吸をする。


・・・・ガラガラッ・・・


黒板の前で立ち止まる。

「えー・・っと、僕がこのクラスの担任になりました。長谷川竜です。

わからないこともあると思うので、よろしくお願いします。」

頭を下げる。

「どこからきたのー?」

「先生何歳?」

「結婚してんの?」

「彼女いるんですか?」

と、いろんな質問がくる。まぁ、この時期くる先生は珍しいもんな。

いろんな質問に答えるのは少し疲れた。

でも、少しは仲良くなれたかな・・・。

***放課後***

ふと窓から外を見ると、部活の元気な声が聞こえる。

「あっ、長谷川先生。ちょっと頼みごとしてもいいかな?」

後ろから声をかけられて、振り返る。

音楽の先生だ。

「あっ、いいですよ。」

「じゃぁ、図書館から国語辞典3冊運んでもらえますか?」

「はい、わかりました。」

はぁ・・・。

わかっった、って言っても図書館ってどこだっけ?

誰かに聞こうと思い、辺りを見る。

誰もいな・・・

「先生、どうしたんですか?」

後ろを見ると、僕のクラスの生徒が立っていた。

「あぁ、図書館に用事があるんだけど、場所がわからなくて。」

「じゃぁ、俺が案内しますよ。」

と、言って歩き出す。

僕は後をついていく。

「・・・・ここですよ。」

「ありがとう。」

僕はさっそく国語辞典を探す。

あれ・・・。探してもなかなか見つからない。

「先生、またなにかわかりませんか?」

さっきの生徒が近づく。

「国語辞典の場所がわからなくて・・・。」

「あぁ、あれなら机の上に出てますよ?」

机の上に目をうつす。

「あっ・・・本当だ・・・。」

そんなことにも気付かない自分に恥ずかしくなる。

「先生なのに・・・ダメですね。」

少しムカッときてしまった。

「君にそんなこと・・・」

「俺は君、なんて名前じゃないですよ?」

「うっ・・・」

名前を忘れてしまった。

「はぁ・・・俺は京也。覚えましたか?」

京也が顔のすぐそばまで近づく。

「は、はいっ。」

いきなりネクタイを引っ張られた。

・・・・グイッ・・

「わっ・・」

「よかった・・・。先生可愛いね。」

耳元でそう言った。

「えっ・・・。」

京也はゆっくり離れると図書館を出て行った。

「なっ・・・・!」

顔が赤くなる。急に恥ずかしくなってきた。

僕男だよ?なのに可愛いって・・・。

しかも、生徒にドキっとさせられていいものなんだろうか。

教師としていいのかな・・・?

僕は家に帰っても京也のことを考えていた。




「んっ・・・きもち・・・なんかっ・・・ないもん・・・」

「どうやらきもちいようですね・・・っっ・・嘘を言ってはいけませんよ・・・?」

樋高さんが僕を後ろ向きにする。

「っっ・・・あぁっ・・・!」

腰を揺らす。

「どうです・・・か?そろそろですか・・・ね?」

「あっ・・あっ・・・んっ・・あぁぁっっくっ・・・!!」

なんだか今とてもきもちよかった・・・・。

「ふふっ・・少し疲れましたか・・・?」

「そんなこと・・・」

僕はベッドにゆっくり横になる。

「やっぱり疲れたようですね。」

そう言って僕の頭をなでる。

僕はビクッとする。

「それにしても初めてでしたか?男性のかたは。」

うっ・・・!そうだった。

この人は男だった。どうしよう僕は・・・

「大丈夫ですよ。そのうち慣れますから。」

と言ってニコッと笑う。

「いや・・・慣れるとかそういう問題じゃなくて・・」

「けっこう汚してしまいましたね。洗わなくてはいけませんね。」

急に恥ずかしくなる。

ってかこれ、もう勉強じゃないと思うなぁ・・・。

「お母さんにバレないように、お気を付けくださいね。」

「は・・い。」

「それにしてもハルは可愛いです。」

と言って僕の首筋を舐める。

「はぅ・・・っ・・」

あれ・・・?今“ハル”って言った?

「そ、その呼び方やめてくださいっ。」

「いいじゃないですか。お母さんがそう呼んでいるのだから。」

お母さんには呼ばないでって言ってあるのに・・・。

「あぁ、私の下の名前は咲月です。咲月でいいですからね。」

「さ・・つき・・さん・・ですね。」

「そうです。では、今日はこのへんで。」

「えっ・・・」

反射的に言ってしまった。

「そんなに・・・離れたくないですか?」

「いやっ・そんなんじゃ・・」

「早く服着ないと風邪ひきますよ?」

僕は自分の体を見て恥ずかしくなった。

「それでは、また今度。」

と言って、手にキスをして行ってしまった。

・・・。

何してんんだ僕!家庭教師としていいことなのか・・・?


・・・ガチャッ・・・


部屋のドアが開いた。

「あぁ、今日のことは2人だけの〝秘密″ですからね。」

と言ってまた出てい行った。

「・・・ひみつ・・・か・・・。・・・・ふふっ」