「もう遅いし、風呂入ったら?洗っといたから。」

「あっ、うん。ありがとね。」

僕がTVを見ている間にお風呂を洗ってくれたみたいだ。

僕はさっそくお風呂に入る。

体を洗いながら鏡に映る自分の姿を見て、悲しくなる。

「・・・汚い・・・」

どんなに洗っても落ちない汚れってあるんだよね。

石鹸で洗っても消えないんだ。

隠してもダメ。

心の中まで汚れてるんだから。

「彰人・・・。」

「えっ!」

脱衣所からお兄ちゃんの声がした。

「入っても・・・いいかな?」

「だ・・・だめだよぉ・・・!」

こんな体見られるわけにはいかないし、それに2人で、なんて恥ずかしすぎるよぉ。

「もう脱いじゃったし。」


・・・・・パタン・・・


「だっ、だめだって言ったじゃん!」

僕はお兄ちゃんが入ってくると同時にお湯に肩まで浸かった。

ちょうどお湯は入浴剤の色で白色に染まっていて、体は見えないようだ。

「ど・・・どうした?」

「い、いや、お兄ちゃんが急に入ってくるからびっくりしただけだよ。」

お兄ちゃんの体を、恥ずかしくてまともに見れない。

お兄ちゃんは体を頭を洗っている。

「彰人・・・風呂から出たら?」

えっ・・・なんでそんなこと言うんだろ。

「ま、まだいいよ。」

お兄ちゃんは頭を洗い終わったようだ。

体も洗い終わったみたいだ。

「さぁ、交代だよ。俺入るから。」

「・・・。」

出れないよぉ・・・。

「一緒に入っちゃっていいのか?入っちゃうよー。」

お兄ちゃんは僕の入ってる湯船に入る。

少しきゅうくつだ。

「体・・・見せて・・・?」

僕は首を横に振る。

「どうして?」

また首を横に振る。

お兄ちゃんは困った顔をして、白いお湯の中で僕の腕に触る。

僕はビクッとする。

お兄ちゃんはギュッと僕の腕を握った。

僕は顔をしかめる。

お父さんに殴られてできたアザにちょうどあたったからだ。

「今、痛かったよね?」

そう言って僕の腕を湯船からあげる。

僕が抵抗してもお兄ちゃんの力のほうが強くて腕がでてしまった。

「っ・・・この傷・・・どうした?」

「そっ・・・それは・・。」

なんて答えればいいのかわからなかった。

「・・・お父さん・・・だよね。」

「えっ・・・。なんで・・・」

どうしてわかるの?

「やっぱり。ねぇ、彰人。本当の事おしえて。彰人はいつもお父さんが帰ってくる日になると元気がないし、いつも以上に俺の側にいようとする。だから、なんかお父さんが関係してるのかなって思って。」

「お兄ちゃんは僕のことわかってるね。」

「ははっ。当たり前じゃん。」

やっぱ話すしかないかな。

「あのね、・・・・」

僕は今までのこと、昨日のこと、全部話した。

「・・・そっか・・・。ちょっと立って。」

「えっ・・。」

「いいから。」

無理やり立たせられる。

僕の体の傷や、アザが丸見えだ。

「うっ・・・。ひどいな・・・」

想像以上だったらしい。

「ごめんなっ・・・早く気付いてやれればっ・・・!」

お兄ちゃんの目から涙がこぼれた。

お兄ちゃんは僕を抱きしめる。

「ちょっ・・・!!」

体が当たってくすぐったい。

それに顔も赤くなってしまっている。

「この傷全部は癒せないかもしれない。でも、俺といる時だけは幸せだって思って欲しい。」

「うん・・・。」

その言葉をきいて、僕はとても嬉しかった。

「安心しろ。俺が守ってやるから。」

僕の顔は自然と笑顔になった。

「よしっ。体洗ってやるから。」

「えっ!いいよぉ。」

僕の体に石鹸をつける。

「1人でできるもん。」

「今日はいいじゃん?腕出して。」

僕は言われるまま腕をだす。

お兄ちゃんは優しく洗う。

洗う手はどんどん下に向かう。

「そ、そこは自分でやるよっ・・・。」

「照れんなよ。俺やってあげるから。」

無理やりだけど優しく僕のアレに触る。

「んっ・・・!く、くすぐったい・・・てばぁ・・・。」

お兄ちゃんはやめる様子もなくだんだんての動きが激しくなる。

「やっ・・・らめっ・・・!」

「彰人、可愛いっ。」

お兄ちゃんの顔も少し赤くなっていた。

僕も恥ずかしくなって頬が赤くなる。

「やっべ・・・。とまんねぇよ。」

「ふぇ?」

「んんぅっ・・・んぁ・・」

お兄ちゃんが急にキスをしてきた。

舌を絡ませてくる。

「はぁっん・・んぅ・・ぁ・・」

ようやく離してくれた。

「可愛い声だすからとまんなくなった・・・。」

僕は、恥ずかしくて顔も見れなかった。

・・・・ギュッ

「えっ・・」

お兄ちゃんが僕を抱きしめる。

「俺、前から彰人のこと好きだし、さっきも抱きつかれてすっごいドキドキしたし、今以上のこともしたくなった。」

「ぼ、ぼくもお兄ちゃんの事す、すきだし、指舐められたときドキドキしたし、それに・・・今のも・・・」

「そっか。よかった。じゃぁ、この続きはまた夜ね♪2階の俺の部屋に来てよ。」

「う・・・うん。」

お兄ちゃんが僕の頭をなでる。

「今ね、僕すっごく幸せなの。このままずっと続けばいいのにって思う・・・。」

「よかった。彰人の幸せが、俺といることで・・・」

・・・お兄ちゃん

お兄ちゃんのおかげで僕は幸せだよ。

ありがとね。   お兄ちゃん・・・

「・・・おはよう。」

「あら、おはよう。朝ご飯できてるわよ。」

お母がご飯の支度をしていた。

「あぁ・・・その前にお風呂に入るよ。」

「じゃぁ、早くしてね!」

僕は1秒でも早く昨日の汚れを落としたくて真っ先にお風呂にはいった。

脱衣所で服を脱ぐ。

やっぱり昨日できたアザや傷があった。

体を動かすとまだ痛む。

僕は石鹸で何度も何度も何度も体を洗う。

体が洗いすぎて赤くなって、ようやくお風呂をでた。

「なんかあった?」

ちょうど学校に行く準備をしていたときだった。

お兄ちゃんが不安そうに僕を見つめながら言った。

「・・・な、なんにもないよ?」

僕は嘘をつくのは上手いほうではないのでちょっとぎこちなかったかもそれない。

「そ・・・か。」

寂しそうに呟く。

「あっ。今日お母さん仕事で帰ってこれないの。2人でなんとかやってちょうだいね。」

「わかったー。行ってきまーす!」

僕は元気よくでかけた。

***帰宅***

「はぁ~。」

お父さんいなくなってよかったぁ。

このままいなくなっちゃえば・・・・って、そんなこと考えちゃいけないかぁ。

「ただいまー・・・って彰人いる?」

「あっ、うん。今帰ってきたところ。」

「そっか・・・。」

シーンとしてなんか気まずい空気になった。

「あっ、ご飯どうする?」

「んー・・・一緒に作るか。」

「うん!」

始めてだなぁ・・・一緒に作るなんて。

それより料理なんてしたことないし・・・。

「じゃぁ、俺じゃがいもの皮剥いてるから切ってくれる?」

「わかったー。」

僕は慣れない手つきで切ってゆく。

何個か切り終わり次のを切っていると・・・

「痛っっー・・・・!」

「どうした!?」

お兄ちゃんが心配そうな顔をする。

包丁なんて使ったことない初心者がやれば当然のこと、指を切ってしまったのだ

血がポタリと指をつたって落ちてゆく。

「切っちゃった・・・。」

「大丈夫かよ!?血がっ・・・」

お兄ちゃんは僕の血の出ている指を舐める。

「ちょっ・・・!」

「こうしてれば血、止まるから。」

・・・・血は止まったみたいだ。

「あ、ありがとう。」

「ははっ。それより続き俺やるからここに座ってろ。」

僕を椅子に座らせる。

お兄ちゃんは1人で料理を始めた。

お兄ちゃんをよく見てると、やっぱり僕より背が高くて肩幅もしっかりしてる。

でも、けっこう細い感じだ。

お兄ちゃんは優しい匂いがする。

僕は今、その優しい匂いがとてもこいしくなった。

「うわっ!」

自分でも無意識のうちに、お兄ちゃんの背中に抱きついていた。

「ごめっ・・・」

謝っているわりには手の力を緩めない自分。

「これじゃ料理できないじゃん。」

お兄ちゃんは笑いながら言う。

「うん。でも、もう少しだけ・・・。」

「いいよ・・・」

優しく言うお兄ちゃん。

ドキドキする。匂いを体いっぱい吸い込む。

あれ?僕、変態じゃん。

まっ、いいか。

いろいろあったけど、料理は完成した。

「食べていいー?」

「いいよ!」

目の前に置かれたのは、おいしそうなカレーだった。

「いっただっきまーす!」

パクっと食べる。

「おいしい?」

「うん!」

お母さんが作るのと違い、なんだか僕を包み込んでくれるような優しい味だった。

僕はお腹いっぱい食べた。

「お兄ちゃんありがとう。」

「いえいえ。」

照れくさそうに笑う。

そんな笑い顔を見るだけでなんか僕まで嬉しくなっちゃうな・・・。


・・・痛い・・・

「もぉ・・やめっ・・・て」

「生意気いってんじゃねぇよ!」

顔を殴られる。

「もうちょっとなんだからさぁ。」

腰を激しく振る。

「あぁっ・・・!」

お父さんがイったみたいだ。

僕もきもちくないしイってなんかいないけど、僕もイかないと殴られる。

だからイったふりをする。

お父さんは隣で倒れてる。

今のうちに手首についたロープを必死に外す。

「おいおい。何俺の許可なしに外してるんだよ。」

と言って僕を横に倒す。

「ガキは俺に使われてろ!」

そう言って僕のお腹を殴る。

「うっ・・・」

痛い・・・。

僕の体を蹴り始める。

「痛いよっ・・・お父さん・・・!」

「口応えすんな!」

蹴りに余計に力が入ってしまった。

「ごめんなさいっ・・・ごめんな・・さい・・・ごめっ・・・なさい・・・。」

僕はずっと謝り続ける。

お父さんの足の爪にあたり、いろんな所が薄ら血がにじむ。

「謝り方が足りねーんだよ!」

と言って僕の髪の毛を掴み、上へ持ち上げる。

「痛っー・・・」

「お前はクズだ。」

と言って、部屋の鍵を開け、ろうかに引っ張りだす。

そして僕は、ろうかに放りだされた。

着ていた服を投げつけられる。

「また今度が楽しみだよ・・・」

と言って部屋のドアをしめてしまった。

僕は手首のロープを外し、自分の部屋へ戻る。

・・・汚い・・・。

僕の体は汚い。

早く洗い流したい。

でも、朝までお風呂は使えない。

しかたなく僕は、ゆっくり布団にベッドにもぐりこむ。

「・・・どうしてだろう・・。」

どうして僕なんだろう。

お父さんは、僕が中学生になるまで仕事で遠くに行っていた。

中学生になった頃から、月に1,2回は帰ってくるようになった。

そのときに、僕が部屋に呼ばれるようになった。

最初は断っていた。

でも、断ると暴力をふるってくるから僕は断れなくなった。

この事は、お兄ちゃんもお母さんも知らないことだ。

お兄ちゃんに言おうと思ったけど、汚い子だって思われたくなくて今も言えないままだ。

お兄ちゃんには絶対に教えたくない。

でも、呼ばれるのがお兄ちゃんじゃなくてよかった。

僕でよかったよ。

あんなつらい思いさせたくないから。

あぁ・・・こんな事考えたくない。

早く寝よう・・・。



・・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・・痛い・・・苦しい・・・汚い・・


何分たってもこの繰り返し。

いっこうに眠れない。

さっきの傷がまだ痛む。

早く忘れよう・・・。

明日になれば・・・