貪狼 

 

『紫微斗數全書』では貪狼を「北斗解厄之神」と呼んでいるが、批評と解釈をする場合、貪狼一曜の酒色とゆらゆら漂う面だけに重点を置き、あまり良い評価をしていない。ではなぜ「解厄之神」なのか? 

意外にも知らない貪狼の「解厄」とは、まさに交際接待の面に重きを置いている。もし八方美人の人がいて、世の中の幅広い職業や人物に通じ、何か事が発生した際、仲裁に出てきて解決したなら、これすなわち解厄という。 

別の面では、だいたい貪狼守命の人というのは、少しでも吉星を見れば長寿を表し、また神仙修煉の術(現代では宗教信仰)を学ぶのが好きであるため、解厄の意味に引き伸ばすことができる。 

貪狼火星か貪狼鈴星が辰戌丑未四墓宮で同行するか、貪狼擎羊が未宮を運行するに至っては、いずれも権勢によって富貴を手に入れることを表す。権勢という面から見ても、解厄と言えないことはない。以上が貪狼解厄の意味である。 

 

貪狼は辰戌丑未四墓宮を好み、子午卯酉四旺地を好まない。 

ある解釈によると、貪狼化気は桃花で、子午卯酉四旺地も同時に四沐浴桃花の地だから、貪狼がここに入ると桃花が重すぎて、不吉であるという。 

王亭之の見解は違っていて、貪狼は人の物欲の重さを表し、四旺地にあれば、その物欲はさらに重くなるため、不吉である。子午卯酉の貪狼、あるいは紫微との同宮・紫微との相対は、「紫貪」系の星曜組み合わせを形成し、物欲が重いだけでなく、情慾も重いので、昔の人は男盗女娼という言い回しをしたが、これは理性を欠いた判断で誇張されていて、ただ物欲情慾の一端を具体的に表すだけで良い。 

古訣には「紫貪同宮、須左右昌曲夾制」ともあるが、いわゆる「夾制」とは、宮垣の相夾ではなく、三合宮の会照のことで、なぜなら左右昌曲は絶対に「紫貪」を挟むことができないからである。 

 

丑未宮に坐命する貪狼は、「大格」を成すことができる。丑未宮は「武曲貪狼」同度で、「紫微七殺」と「廉貞破軍」が会し、殺破狼の三運行それぞれに正曜の同度があり、星系の性質は複雑になり、星辰が強烈であるため、変化はとても大きい。 

加えて「武貪」は必ず「太陽巨門」と「天同太陰」に挟まれ、「日月夾命」となり、さらに左輔右弼か文昌文曲に挟まれれば、「貪武同行」の格局で、富貴権威を表す。さらに火星か鈴星が同度すれば、比類のない富貴を表すが、ただ先に艱難辛苦を経験してから発達するので、「武貪不發少年人」なのである。 

もし「武貪」が輔弼昌曲の夾も輔佐吉曜の来会も見ず、「火貪」「武貪」の格局も成立しなければ、若い頃に喜び楽しむが、必ずぼろぼろになり、それから技能や工芸によって身を立てることになる。さらに煞忌を見たなら、自分勝手でずる賢い欲張りになる。 

 

貪狼は桃花の象徴だが、巧芸に発展することもでき、古訣に「貪武同行四生四墓宮、破軍忌煞百工通」とあるのは、つまりこれを指している。 

具体的な星曜構造は・・・ 

丑未宮「武貪」が羊陀を見て、左右昌曲を見ない場合;辰戌宮貪狼独坐対武曲が、左右昌曲を見ない場合。両者がさらに煞忌に逢えば、巧芸を頼りに生計を立てることを表す。 

あるいは、寅申貪狼独坐で廉貞と相対するか、巳亥宮「廉貞貪狼」同度で煞忌を見て吉曜を見ない場合も、巧芸によって財を求めることを表す。 

大まかに言えば、貪狼・廉貞・武曲三曜の同度または相会は、巧芸を構成する基本条件で、どの巧芸に属するかは、他の星曜の組み合わせを詳しく調べて決めなくてはならない。例えば昌曲を見れば設計に精通している;火星天廚を見れば飲食業か食品業に適している;陀羅を見れば機械などに精通しているといった具合に、雑多で、変化はかなり複雑である。 

 

古訣に「貪月同煞會機梁、貪財無厭作經商 」という一句がある。また「機梁貪月同煞會、夜半經商無眠睡 」とも言う。この二訣は実は一訣で、つまり貪狼・「機月同梁」格局・煞曜同行の三者が一つの星系を形成し、その人は夜間に商いを行い、お金のために苦労することを表している。 

しかし今の人は斗数を研究して、これらの古訣に疑問を抱いている。なぜなら星系の組み合わせにおいて、「機月同梁」は貪狼と相会照できないからである。だから今の人は、これを誤刊や意図的な改竄だとみなしている。 

王亭之は、この二つの古訣は誤刊でも、また昔の人が故意に間違った記述によって混乱を招こうとしたものでもないと断言できる。斗数の古訣の中には、一見すると不可能な相会を、昔の人は互いに相会する星曜はとても多いとしたが、実は同じ道理で、もし『紫微斗數星訣』(宋代の呉景鸞撰、陳希夷の弟子と伝わる )を読めば、すべてが明らかになる。 

 

貪狼守命は、身宮に七殺か破軍を見るのを最も嫌う。その人は生涯にわたり根無し草のように揺れ動き、事業の変化が多い。 

昔の人は「與七殺同守身命、男有穿窬之體、女有偸香之態、諸吉壓不能為福、眾凶聚愈藏其奸。以事藏機、虛花無實、與人交、厚者薄・薄者厚。故云七殺守身終是夭、貪狼入命必為娼。若身命與破軍同居、更居三合之鄕、生旺之地、男好飲而賭博遊蕩、女無媒而自嫁淫奔。喜見空亡、返主端正」と言った。 

古訣では男盗女娼に言及していて、いくらか言い過ぎだが、もし物欲が深く情慾が重く、事業を変えるのが好きだったり、困難を乗り越える意志力が欠けていたりすると、堕落して卑しくなりやすい。 

貪狼が煞曜を見たら、文曲の同度は好ましくない。もし貪狼守身・七殺か破軍が守命で、さらに煞を見て文曲が同行すれば、人生に予期せぬ危険が多いことを表す。 

 

貪狼は文昌文曲との同宮を好まない。同行する文曲が煞を見れば、すでに人生に想定外の出来事が多いことを表し、性格面では、昌曲の同行に関わらず、人格に虚が多くて実が少ないことを表す。女命は特に聡明だが薄命で、もし福徳宮にあれば、足を踏み外さないようにしなければならない。 

貪狼は擎羊・陀羅の同度も好まない。亥子宮では「泛水桃花」と呼ばれ、それ以外の宮度では屠殺を意味し、大限流年がこれに逢えば、手術をすることを表す。ただし午宮では、貪狼と擎羊の同度を「馬頭帶箭」と呼ぶ;寅宮では、陀羅との同度を「風流綵杖」と呼ぶ。 

「泛水桃花」と「風流綵杖」は、どちらも色情による災いを表すが、もし吉星祥曜を見れば、それはただ詩酒風流・風花雪月を表すだけで、色と酒で身を亡ぼすわけではない。 

貪狼化祿と化權は、火鈴と同度するのが良く、化祿は富を表し、化權は貴を表す。 

以上はすべて貪狼の格局に分類されるもので、吉凶の変化は非常に大きい。