破軍

 

前人は破軍を論じて、どうしてもけなす言葉が多かった。≪紫微斗數全書≫には、「主人暴凶狡詐、其性奸猾、與人寡合、動輒損人、不成人之善、善助人之悪虐。視六親如寇仇、處骨肉無仁義」とあるが、一つも正しいところはない。

「逢天府則作奸偽、會天機則鼠竊狗盗」に至っては、星盤中で破軍は永遠に天府・天機と相会する道理がない。

「惟天梁可解其惡、天禄可解其狂」についても、破軍は永遠に天梁と相会しないことに注意しなければならない。ただし破軍は祿を見るのを好み、祿存でも化祿でも可能である。したがって昔の人は「六甲六癸生人合格、主富貴」と言ったが、六甲生まれの人は破軍化權、六癸生まれの人は破軍化祿であることによる。

破軍は得祿を最も好み、化權がその次で、これによって破軍の欠点が補われ、上格になれる。

 

破軍は祿を見るのを好むが、貪狼化祿に遇うか、貪狼と祿存が同度する場合、かえって注意が必要である。この時さらに天馬を見れば、逆に敗局となり、他の星曜が喜ぶ「祿馬交馳」とは異なる。昔の人が言った「破軍貪狼逢祿馬、男多浪蕩女多淫」とは、すなわちこのような星宿の構造を指している。

その理由を考えると、破軍自身はすでに「去舊更新」の性質を持っているため、そこへ貪狼祿馬が来会すると、一方ではその変遷が増加し、もう一方ではその人に僥倖を企てさせ、一業を守らず、既成の局面を楽しまないように変えてしまう。古代において、女性は自分の事業を持たなかったため、守成に耐えられず、異なるものに心を移し、不倫に走った。だから「男多浪蕩女多淫」という見解があったのである。

趨吉避凶の道は、自分の盲動の傾向を抑えることにあり、何事も計画を立て終えてから行動に移しし、不適切な時に無理に変動を求めなければ、高い地位にあって成業を守り平穏無事である。

 

破軍は落陷を最も恐れるため、卯酉両宮に居るのを好まない。この二宮垣は「廉貞破軍」同度で、酉宮のほうがやや凶険である。

酉宮に「廉貞破軍」があり、命宮か遷移宮で、もし天刑に遇い、さらに煞曜および化忌を見たら、人生に重大な挫折があるか、意外な災難に遭遇することを常に表す。廉貞化忌の者は、さらに自殺の心が存在することを表す。ただし廉貞化忌だけを見て煞刑耗曜を見なければ、「反格」となり、暴発の可能性があることを表す。しかし暴発後の暴敗を防ぐ必要があり、発財後に従来の業務を変換してこそ、暴敗を回避できる。卯宮の「廉貞破軍」は特にそうである。

破軍は本来、文昌・文曲を見てはならず、昔の人は「與文星守命、一生貧士」と言ったが、卯宮に文昌(特に文昌化科)を見る場合、これも「反格」となり、突然に人から抜てきされて昇進することを表す。しかし突然に後ろ盾を失い、長きにわたって頼ることができない事態を防ぐ必要がある。

 

破軍の暴発暴敗は、「廉貞破軍」以外に、丑未宮の「紫微破軍」にもある。「喜紫微則有威權」とは言っても、やはり発展の後に大きな破敗があることを表し、形煞諸曜を見ず、そして「百官朝拱」を得る場合を除き、富貴は長くは続かない。

もし吉凶諸曜が入り混じる場合、未宮の「紫破」ならまだしも、丑宮にある者は、「紫破」守命の流年に発展し、また「紫破」守命の流年に破敗して、その富貴はわずか十二年しか維持できない。趨吉避凶の道は、順風満帆なうちに身を引くことで、そうすれば富貴を保つことができる。

だいたい「紫破」の出世は、祿を見るか「火貪」「鈴貪」が会合すれば、突然に思いがけない財を得ることを表す;化權か昌曲化科を見て、さらに輔弼・魁鉞を見れば、突然に人から抜てきされて社会的地位が高まるが、しかし突然に後ろ盾を失い、地位を保てなくなることを表す。

 

破軍と紫微の同度は、吉曜を見れば富貴を得られ、高い地位にあって無事に事業を守り抜くことにだけ注意すればよい。しかし破軍と「紫微天相」が対拱する場合、性質は完全に異なり、その破壊力が創造力より多い。前人の解釈によると、「紫破」同度は、大将が兵馬を率い、「御駕親征(皇帝自ら兵を率いて出征する)」の皇帝の命を受けるようなものだが、破軍と「紫相」対拱は、「將在外、君命有所不受(大将は外にいて君命を受けない)」のようなものであるため、破壊力はかなり強い。

≪紫微斗數全書≫に言う「喜紫微、有威權」とは、「紫破」同宮を指している;また「逢紫微、失威權」とあるのは、破軍と紫微の対拱を指している。

およそ辰戌両宮の破軍は、紫微と対拱する理由から、自身に常に不幸な遭遇があり、煞曜を見る者はさらに身体障害や長患いを表すが、それでも生命力は極めて強く、しかも芸術的気質があり、祿を見れば富貴にもなれる。

 

寅申二宮では、破軍は独坐で、対宮は「武曲天相」になる。寅申もまた破軍陷地(民間本の平宮は誤り)であるため、卯酉破軍と同様、故郷を離れるか、従妹同士が結婚することを表す。

火鈴が同宮する者は、生涯にわたり肉親と縁が薄く、忙しく走り回って苦労し、順境にあっても安心を享受するのは難しく、何事もすべて自分でやらなければならない。

もし武曲が忌星に変われば、財帛に損失があり、あるいは一生を通じて財力の支持を欠き理想に到達できないことを表す。もし煞曜が重なれば、一生を通じてうまく行かないことを表す。

およそ破軍と火鈴の同度は、貪狼が来会しても「火貪」「鈴貪」とは見なさない。なぜなら破軍は火鈴の影響を受け、たとえ発展しても必ず艱難辛苦を経験しなくてはならず、しかもさらに一歩前進を企てる場合、かえって破敗を招きやすいからである。

鈴星・擎羊が同度する場合、とりわけ物事が成功寸前で失敗することを表す。自分の分をわきまえ、職に就いて給与をもらうのがふさわしい。

 

≪太微賦≫に「破軍暗曜共鄕、水中作塚」とある。斗数では巨門を暗曜とするため、一般刊行本はどれも破軍と巨門が同宮し、水難があるとしている。

しかし斗数の星盤において、破軍は決して巨門と同度できない。だから「破軍巨門」という説は、明らかに誤りである。この口訣を知る人は、多くが重大な秘密と見なし、決して漏らそうとしなかった。

実際には「中州學派」の口訣は「與文曲入於水域、殘疾離鄕」で、すなわち亥・子・丑三宮の破軍を指す。「亥子丑」は北方で、水に属するため「水域」と呼ぶ。そして≪太微賦≫の説は、実のところ「破軍暗曜共鄕水中、作塚」と読むべきで、「作塚」とは、その人があたかも塚墓に居るように、常に薄暗く沈んでいることを指す。

いわゆる「暗曜」とは、実は「文曲化忌」を指している。文曲化忌を暗曜と呼ぶことを、一般人は知らない。