太陽

 

『紫微斗數全書』には太陽について「慈愛量寛大、福壽享遐齢」と論じた古歌があり、この両句は、斗数を推断する際に最も重視すべきである。

「慈愛量寛大」とは、太陽は「施して受け取らない」を本質とすることである。太陽の光は万物を照らし、万物は太陽の光がなければ生きられず、さらには太陽の光がなければ雨露もない。しかし万物には太陽に報いるものが一つもなく、これが「施して受け取らない」である。「慈愛量寛大」の一語についても、このように理解しなければ、主観だけで判断してしまう。

本質を理解してこそ、太陽の動きと太陰の動きが異なることが分かる。太陽の動きは人に奉仕するもので、太陰の動きは自分の利益を求めるものである。だから太陽守命の人は、医師・弁護士・ソーシャルワーカー・マスメディアなど、奉仕的な職業に従事するのが最適である。いわゆる「貴而不富」というのも、その人が持っているのは主に社会的地位であることを指している。

 

太陽は地位の象徴であるため、命宮太陽坐守を推断する場合、その社会的地位に注意すべきで、一生の財富も必ずその人の社会的地位と対応している。地位が高ければ裕福になり、地位が低ければ減少する。

命宮の太陽が示す地位をどのように見るかには、二つの原則がある。

第一に、太陽が光り輝いているかどうかを見る。寅・卯・辰・巳・午・未の六個の宮度では光輝していて、申・酉・戌・亥・子・丑の六個の宮度では失輝している。

昼(寅時~未時)生まれの太陽光輝は最吉;夜生まれの太陽光輝は次吉;昼生まれの太陽失輝は吉凶半々;夜生まれの太陽失輝は凶。

第二に、星曜の会合を見なければならない。太陽は中天星主であるため、紫微のように「百官朝拱」を好むが、「府相朝垣」の格局はなく、その代わりに「日月並明」、つまり太陽在辰・太陰在戌相照の構造がある。

 

亥宮の太陽は「反背」といい、これは「紫微斗數」のひとつの大格である。大格とは、非常に順調であるか非常に不調であるかが両極端で、中間の状態はとても少ない。

亥宮の太陽はもともと失輝していて、その人は一生苦労して働き、社会的地位も高くないことを表す。たとえ文昌・文曲・左輔・右弼・天魁・天鉞など諸吉の同宮加会があっても、地位を改善できるだけで、辛労を避けるのは難しい。

しかし、亥宮の太陽は「祿馬交馳」の局を見るのを好み、命宮と遷移宮に化祿か祿存を見て、さらに天馬を見れば、これは生まれ故郷を離れて富貴になるという大格である。もし昌曲諸曜の同宮加会を得れば、格局は自然により良くなる。

亥宮の太陽守命者は、若いうちは父星に不利で、「祿馬交馳」の者は特にそうである。この点は、故郷を離れたのと同じ意味で、少なくとも父母の福蔭を享受できないと断言できる。しかしこの入格者が故郷を離れなければ、やはり苦労や困難が付きまとう。

 

「諸星問答」では太陽について、「命逢諸吉守照、更得太陰同照、富貴全美」と述べ、また「若身居之、逢吉眾、則可在貴人門下客、否則公卿走卒」と述べている。

この一節は、とても見落とされやすい。その区別は主に太陽が命宮にあるか、身宮にあるかの違いである。太陽守命は、吉なら富貴になれるが、太陽守身は、命宮が別の格局を成さない限り、吉でも他人のために苦労することを表す。

たとえば身宮が「夫妻宮」の場合、太陽坐守で諸吉が拱照同会すれば、女命は富貴な夫に嫁ぐことを意味し、男命は妻によって地位を得ることを意味する。

「妻によって地位を得る」というのは、昔は純粋に妻の父から引き立てられることを指したが、現代は状況がかなり複雑で、妻の力を得て富貴を享受できることもあれば、自身のビジネスが広大な妻を迎えることもあり、推断する際には昔の人の説法をそのまま適用してはならない。

 

諸煞の太陽に対する影響は、それぞれに異なる性質がある。

太陽は最も化忌がよろしくない。太陽化忌守命者は、女命は特に男性親族に不利で、若いうちは父の妨げになり、結婚には波乱が伴い、晩年には子どもと生き別れになる。特に結婚における波乱については、裏切られて捨てられるといった形で表れやすいため、女命に太陽化忌を見たら、感情面に特別に注意する必要があり、早婚に適さず、早すぎる恋愛も良くない。子どもに関しては、中絶や流産などを防がなくてはならない。

鈴星は天刑と太陽化忌を同照するのに適さず、もし三曜が同度すれば、災病・公的トラブル・挫折・不吉を表す。どの性質が発生するかは、各宮の星曜を詳しく見て決める。たとえば「官祿宮」が不吉なら、それはビジネスの傾きや失敗を表す。

もし擎羊・陀羅が太陽化忌を併照すれば、それは病気を表し、特に神経系統の病気を意味する。中国の術数は、心臟も神経系統の一部とみなすので、血管や心臓の病気、さらには内分泌失調も意味する。

 

太陽守命には、一つのとても重要な格局があり、「日照雷門」と呼ぶ。すなわち卯宮守命の太陽である。卯宮にある太陽は東から昇る朝日で、光が辺り一面をくまなく照らすため、吉である。「雷門」とは、卯宮が震卦に属し、震は雷であることから、術者は卯宮を暗に「雷門」と呼んでいる。

卯宮の太陽は必ず天梁と同度する。亥宮の太陰化祿を最も好み、さらに文昌・文曲が同宮加会すれば、「陽梁昌祿」の格局で、昔は試験に有利だとして、「陽梁昌祿、臚傳第一名」の言い方がある。現代では、学術研究の星系と見ることもできる。また土地の入札で成功するというような、競争によって利益を得る意味もある。

ただし天梁化祿を最も嫌い、たとえ「陽梁昌祿」格であったとしても、專門業種に適しているというだけで、学術において成果を上げることはできない。たとえば医者になることはできても、医薬研究に従事することはできないといった具合に、制限される範囲は相当に大きい。

 

「太陽巨門」同度も、一つの重要な組み合わせで、「巨日同臨格」という。

「巨日同臨」するのは、必ず寅・申両宮である。古歌にある「巨門不相犯」とは、主に寅宮を指していて、申宮では、太陽が失輝であることから、男性肉親に必ず欠点があり、特に女命は早婚に適さない。

「巨日」同宮の最大の特徴は弁舌の才能である。現代では、言語の天才を表し、多種の方言や外国語を習得できることを意味する。話術の巧みさにおいては、主に説得力を発揮できる。もう一つの意味として、「巨日」は異郷人や異族でもある。したがって太陽化權・巨門化祿の場合、しばしば異郷人や異族人の抜てきや高い評価を受けることを表す。

太陽化忌か巨門化忌は、恨みやトラブルを表すため、それらを職業とする、たとえば弁護士や外交官に適している。そうでなくても口を使って財を求める、仲介人などに向く。