天機
『紫微斗數全書』の「諸星問答」は、天機を「善算の星」と呼ぶ。「善算」とは謀略のことで、単に計算を指すだけでなく、「靈變機謀(臨機応変と策略)」である。
天機の化気は「善」で、昔の人は深い意味を込めた。臨機応変と策略を正道に用いれば善になるが、邪道に用いれば周到な悪巧みになる。これは昔の人が残した戒めである。
だから希夷先生が言った「天機與天梁左右昌曲交會、文為清顯、武為忠良」は、善に応じたもので、「若居陷地、四煞沖破、是為下局」は、悪に応じたものである。
斗数を推算するには、十四正曜の化気に注意する必要がある。命盤における星曜の性質と化気が合致すれば吉、矛盾すれば凶で、天機もこの一例である。吉星に会えば善となり順となり、悪星に会えば悪となり逆となる。このことから、天機は「輔佐煞化」諸星に対して、非常に敏感であることが分かる。
「天機巨門」同宮は、その名を「機巨同臨格」といい、特殊な性質を持つため、斗数研究者は注意しなければならない。
古歌に云う「巨門同一位、武職鎮邊庭、亦要權逢煞、方可立功名」は、「機巨同臨」のことを指して言っている。正格は、天機化權が煞曜を三方に見て、本宮には見ない構造パターンで、武職によって高い地位と名声を得ることを表す。
この格局にはとても多くのバリエーションがあり、天機化祿なら、計画によって生計を立てると良い;巨門化祿なら、伝え広める業界で発展すると有利である;しかし化祿で煞曜(特に火星・鈴星)が同宮すれば破格となり、企画戦略や情報発信の仕事に従事しても、浮き沈みがあって名利は長続きしない。天機化祿は変動が多くなりやすく、巨門化祿はお調子者になりやすく、完全に良いものではない。
したがって「機巨同臨」の場合、化權が化祿より優れていて、化忌はさらに労力を注ぎ口を使って生計を立てることを意味する。職業を選ぶ際の参考にすることができる。
「天機天梁」同度の格局を、昔の人は「機梁加會」と呼んだ。
昔の人は「天機與天梁左右昌曲交會、文為清顯、武為忠良」 「機梁交會善談兵」 「天機更逢天梁、必有高藝随身」 「機梁同在辰戌宮守命、加吉曜、富貴慈祥;若遇羊陀空曜、偏宜僧道」とした。
これらを比べると、「天機天梁」は一個の性質を簡単に変える星系組み合わせであることが分かる。吉を見れば文武富貴;さらに「高藝」を表す;煞を見て空曜を見れば僧道(僧侶と道士)の命で、また肉親無縁を指す。
古歌では天機を論じて「天梁星同位、定作道和僧、女人若逢此、性巧必淫奔」と言った。つまり女性は「機梁」を見るべきではなく、淫奔を避けられないと言い過ぎだが、「性巧」が過ぎても福厚ではない。
古歌が論じた天機には、難解な一節がある。「若在寅卯巳、七殺並破軍、血光災不測、羊陀火鈴、若與諸煞會、災患有厄驚、武暗廉破合、兩目少光明」
この説は明らかに昔の人の「徵驗(経験則)」によるものである。
しかし寅卯巳三宮の天機は、七殺も破軍も見ることはない。天機はまた「武暗(巨)廉破」と同時に相会合することもないため、後世の人の誤記とされてきた。
しかし王亭之は、この節に絶対に誤字はないと断言できる。
台湾における斗数研究は、過度の解釈や独自理論に傾いていることが多く、最近では三百六十度の円図に十二垣を配列する人もいて、一宮が二垣を跨いで、「三方四正」が「六方八正」になるので、天機は七殺・破軍などと相会することができる。アイデアとしてはとても賢いが、思い込みが激しく自分勝手な感は否めない。
この一節を正確に理解するには、「紫微星訣」に基づく必要がある。
あらまし天機守命で貪狼守身宮者は、日夜忙しく駆け回っている。
陸斌兆先生の『紫微斗數講義』に、「天機・天梁・太陰會照、而貪狼在身宮、主人日夜奔忙、勞碌異常、或有烟(タバコ)酒等嗜好」とある。
初学者はこの二つの説(実はただ一つの説)に対して、必ず疑問を抱く。なぜなら天機守命は、決して貪狼守身宮になれず(「透派」の起身宮法に基づかない限り)、天機・天梁・太陰が同時に会照する宮度は命宮で、貪狼守身宮も不可能だからである。
王亭之が『紫微斗數講義』に注釈を加えた際、この点について記載するのを忘れてしまったのだが、次のように補正を加えることができる・・・
いわゆる「守命」「守身」について、昔の人は明言を避けたが、「守身」とは実は原局の命盤を指し、「守命」とは「流盤」の命宮を指して言う。つまり貪狼守身者は天機運を走行していて、忙しく駆け回ることを意味する。
天機守命には、もう一つの重要な「機月同梁格」がある。つまり天機・天梁・天同・太陰の四個の正曜が、命宮の三方四正に同宮加会する構造パターンである。
昔の人は「機月同梁作吏人(役人になる)」と言った。
大まかに「機月同梁」の星曜構造は、デメリットについては、ずる賢い心を持ち、細かいことをうるさく指摘するのが好きで、お金に貪欲で、目的達成のために権謀術数をめぐらす。だから「吏人」の性格と似ている。だいたい「吏人」というのは、自分の権限内で権力を振るいたがるもので、こうした人物を政府機関や大組織でよく見かける。
しかしメリットについては、計画や管理の仕事の象徴で、自己経営には適さないというだけである。
もし命宮が「機月同梁」で権力を弄ばなければ、人生のめぐり合わせを変えることができ、いわゆる「公門好修行(政府機関は修行に良い)」である。
「天機太陰」同度は、もちろん「機月同梁格」に属するが、独自の特性を持ち、一考の価値がある。
この組星系の本質は浮動(落ち着かず不安定)である。昔の人は「天機太陰同居寅申、難免跋渉他鄕」と言った。これは浮動性質の具体的な推断である。
およそ命宮に太陰がある者は、併せてその「福徳宮」を見る必要があり、「機月」同度の場合、「福徳宮」は巨門で、しかも必ず辰戌両垣にある。この両垣は巨門が最も運行を嫌う地であるため、命宮の性質にも影響を及ぼす。
しかし「天機太陰」も特別な能力の転換があることを表すため、計画的な仕事に従事するのに適し、もし太陰化權・化科の場合、特に金融財政の計画に従事すると良い。
太陰化祿は、かえって気苦労が多くなり、心が落ち着かず、神経衰弱になりやすい。