ギックリ腰には予兆がある | クラニオセイクラルな日々-あたまをさわれば幸せになる

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大阪市淀川区西中島かなや整骨院院長のブログ

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腰痛はイキナリ起きるのではなくて、腰痛になる基礎疾患が存在することがある。三十数年前、オレが整骨院を開業した時にギックリ腰でおいでの患者さんに伺うと、たいていは腰痛の経験者で以前医療機関を受診した時には「骨粗鬆症」か「腰椎椎間板ヘルニア」の傷病名がついていた。そういう患者さんが急性腰痛で来院されても「腰部捻挫」で保険請求すると既往症を理由に返戻してくる保険者とかがあってずいぶん揉めたもんだ。そうして具体的な病名はつかなくてもプレ腰痛、とでもいうべき違和感をどこかで感じていることが多い。

 

数日前から前屈がなんかやりにくかった、という腰痛患者さんが来院されたことがある。それがあるとき腰をかがめた拍子に腰に激痛が走ったらしい。拝見してみると骨盤に強い圧痛がある。これを処置してテーピングを貼付すれば「腰をかがめた際に起きた激痛」は改善する。

 

ただ、骨盤は勝手にズレたりゆがんだりしない。激痛が発生する前の「前屈がやりにくい」状態を改善しておかなければまたすぐにギックリ腰は再発するだろう。それで頭蓋骨を触診してみると側頭骨の動きがよろしくない。仰向けになってもらって軽い力で両耳を引っ張って側頭骨を調整する。

 

患者さんにしてみれば腰痛で整骨院に来たのに仰向けで耳を引っ張られたのでは何のことやらわからん、だろう。まあ頭蓋骨を触り始めてすぐに患者さんは眠ってしまわれたのだけれども。

 

頭蓋骨と骨盤はシンクロしていて頭蓋骨に何か問題があると、その「歪み」が骨盤に波及して腰痛の原因になることがある。後頭骨と仙骨、側頭骨と寛骨がそれぞれシンクロしているとされる。後、骨盤の恥骨を調整すると口内炎が治るというわけのわからん話があるのだけれど、おそらく上顎骨とのシンクロがあるのだろう。

 

今回のケースに話を戻すと、側頭骨の動きが制限されている理由はわからん。該当しそうな原因を尋ねてみたが記憶にないという。まあ、動きが回復したから腰痛は再発しないんだろう。オレはカウンセラーではなくボディワーカーだからそのあたりを詮索しても仕方がない。

 

繰り返しになるが腰痛は単独で発生することはあんまりない。何らかのストレスで筋肉が緊張し、その影響でマルアライメントが生じる。この時点で普段とはちょっと違う違和感を腰に感じているはずなのよ。そのまま放置してどこかのタイミングで腰に無理な力がかかると、脳は筋肉の緊張を強めて活動をストップさせて身体の損傷を食い止めようとする。それがギックリ腰。

 

「なんか変だな」と感じた時点でストレスを緩和するなり骨格をチェックするなり、せめて筋肉の緊張を緩和するなりしておけば動けなくなることはないんだけれどね。