セルフケアで症状をコントロールする | クラニオセイクラルな日々-あたまをさわれば幸せになる

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大阪市淀川区西中島かなや整骨院院長のブログ

ココロに効く、カラダに効く、クラニオセクラル・セラピー

施術後に、ご自分でできるセルフケアをお伝えすることがある。セルフケアと言っても自分の耳を3分間持っておく、とか骨盤を弾力性のあるもの(ストッキングとか和装に使う伊達締めとか)で巻いておいて腰を大きく回すとか鎖骨の下をトントン叩いて深呼吸するとかそういうの。

 

ものすごく簡単であることが必須条件。それからね、「間違ったやり方でかえって悪くなるんじゃないか」とか思われるのもよろしくない。単純明快、やり損いの心配がなくて万一やり損っても悪影響が出ないというのがセルフケアの条件だとオレは思っている。

 

いくら効果のあるセルフケアでも面倒なことは患者さんはやってくれない。反対に複雑怪奇な体操を処方しておいて「あなたが治らないのは指導したセルフケアをやらないからだ」みたいなことを言ってのけるセラピストもいる。それからセルフケアに特別な器具(それを治療院で売っていたりする)を使うケースもある。オレが患者さんに伝えているのはそういうのじゃないからね。

 

それでねえ、どうしてセルフケアをするか、という話。オレから見ればしてもらうのか、かな。

 

まずは当然、治療後の状態をキープしてもらうため。一般的には治療後症状が軽快しても時間が経つにつれてまた悪くなっていく、と信じられている。本当はそうじゃない。はじめは辛い状態が施術によって楽になる。この時ははじめの辛い状態が基準だから多少しんどいところが残っていてもだんだん改善していくのが実感できるの。ところが症状が改善するにつれて「楽」な状態が基準になってくると残っているしんどいところが気になって仕方がなくなるのよ。

 

「背中を反らせるとまだ痛いけれどずいぶん楽になりました」という状態が「ずいぶん楽になったけれど背中を反らせるとまだ痛いです」になる、と言えば理解していただけるかな。セルフケアを続けていると自分のカラダの状態を認識してもらいやすい。そうして残ったしんどいところが徐々に改善していってることも実感できる。カラダがよくなっていることを実感してもらうと実際、症状の改善のスピードが違ってくる。

 

それからもう一つ。症状を自分でコントロールできることを理解してもらえる。これはものすごく大切。たとえば薬をのんでも何をしても痛い、というときは絶望的な気分になる。そのストレスが症状をさらに増悪させるのよ。セルフケアを行うことで幾ばくかでも症状が改善すれば、脳がパニックを起こすことがなくなる。そうするとね、多少症状が残っていても生活の質がドカン、と向上する。

 

セラピストに限らず医療関係者には、患者さんの絶望感やパニックに巧みに付け込んで依存関係をこしらえようとする人がいる。患者さんにも依存先?を探して右往左往する人がいる。ドクターショッピングとか治療院ホッパーとかいうのがそれよ。そういう関係は正常なものでは決してない。あくまでも治療の主役は患者さん本人。腹を据えて治療に取り組むためにもセルフケアを励行してちょうだい。