ガラケイ
「旅をする舟 ハイブリッド艇」 その4
「旅をする舟 ハイブリッド艇」
その1 http://ameblo.jp/kaisouoriginal/entry-12272824275.html
その2 http://ameblo.jp/kaisouoriginal/entry-12273146507.html
その3 http://ameblo.jp/kaisouoriginal/entry-12273657626.html
サバ二の場合、ウエイトは前方の方がより効果的なのでボードの差し込み口はこの位置がベストではないかと今のところ思っている。
マストはウインドサーフィンのマストを使う。杉やヒノキのマストでも問題ないしスタイルとして美しいが揺れる海上で簡単に取り外せるあの軽さは癖になりなかなか手放せない。 マストを支える芯に帆が留まってくれるので始末は楽だし手早く操作できる。モノハルなので二つに畳んでデッキに仕舞えるのもシンプルでいい。これまで航海の実績からこのシステムを採用した。
最大二人乗りだが、基本一人での航海をイメージしている。 そうなるとクローズドデッキにしたため帆やボードの上げ下げの度に前に移動するときデッキ上を移動せざるを得ない。 揺れるリスクを補うためサイドに浮力帯として竹を抱かせた。 これにより移動時の転覆のリスクは多少軽減されるのではないか? サバ二の淵に竹を抱かせるのは昔から行われていたので大きな不具合はないと思われる。
また少なくともセールをスキッパーから上げ下げできるようなシステムも考えられなくはないが、まずはよりシンプルにしたうえで後に必要なら手を加えていくことにした。 使用しない時のマストやセール 予備のパドルなどはデッキに回したゴムで固定する。 一人乗りの時は、前のクルーの空間は簡単なデッキを張って上から防水布を被せる。
3つの隔壁は完全防水したつもりでも、どうしても僅かずつ海水は入ってくるだろう。隔壁に留まらないよう下に蓋つきのホースを組み込んで中に入り込んだ海水はスタン側に流れるようにした。 必要に応じて蓋をする。
「旅をする舟 ハイブリッド艇」 その3
「旅をする舟 ハイブリッド艇」
その1 http://ameblo.jp/kaisouoriginal/entry-12272824275.html
その2 http://ameblo.jp/kaisouoriginal/entry-12273146507.html
まずはマストの直ぐ後ろにセンターボード用の穴を開ける。 これまで水抜き用の穴を開けるのにも躊躇していたが今回はマスト後方に大きな縦穴を開ける。
センターボードの幅は35センチ、厚みは当初9ミリにしていたが、細すぎると感じ12ミリに、更には20ミリにした。ボードの厚みは18ミリ、サバ二本体の他に舟底保護材のアピトンも同じように開ける。
ドリルで下穴を開けてから後は全て金ヤスリでギコギコ地味な手作業なので時間がかかることこの上ない。 それでも機械を使うより失敗は少ないしお尻が決まっている訳ではないからじっくりと考えながら進めていける。 穴あけが終わり、底のサンディングを終え、舟を戻して、いよいよクローズドデッキにする。
隔壁は3つ、バウとセンター、そしてスタン。 二人用に前の部分はオープンにするが150ミリ程の波除けを造る。 同じようにスキッパー用の後ろも製作。 一人で操船する場合は前の部分はクローズにする。
時間をかけて、ここの部分もシーカヤックのように球形にして強度とデザイン性アップさせたいところだが簡単に板を張り合わせることにした。
もし将来2艇目があるとしたら、薄い板材を張り合わせて曲線で製作してみたい。
当初、ヤホは製作するつもりはなかったが付ければ良かったなーとならないよう、簡単なウシカキ(マストを支える木 上部)とハイウシミ(マストを支える 下部)を付けた。
殆ど使うことはないと思うが、普段はこの差し込み部分は防水の布を被せて蓋をするつもり。
センターボードの長さは900ミリ、ボードを受けるボックスの高さは200ミリ、船底の厚みはアピトンを加えて約90ミリ、取手の100ミリを引くとボードがボードとして機能する大きさは船底からは約500ミリということになる。 この長さがどれだけの機能を果たしてくれるのかは全くの未知数だ。
これに若干の強度と防水を兼ねてエポキシを塗って完成。
これまでボードにどうやって重量を付けるか?その重さは? またボードを支えるボックスをどうやって強度を付けるのか迷った。 ボードそのものをステンレスで製作することを考えたがコスト高と上部にも重量がかかるのでやめた。 ボード下部に四角い穴を開けてそこに鉄を埋め込むことにした。
これで重心は下にくる。 重さは約8kg、この重量は適当なのか? ボードそのものの強度はどうか? 初の試みなのでよく分からないが、仮にこれ以上重くすると簡単に上げ下げが難しい。 また大きな衝撃がかかって壊れた場合を想定して鉄を埋め込まない予備のボードも製作した。
追い風やアビーム等ボードが必要ない時のため蓋も製作。2つのセンターボードは中央の荷室に入れる。 荷室は全部で3つ、センターとスタンは中で一つの空間になっていて、センターボードなど比較的大きいものでも入るようにした。二人のキャンプ道具はこのスペースがあれば十分だと思われる。軽くかさむものはデッキ上に仕舞える。
センターボードを支えるボックスは下から三角の板で支えるようにした。奥は面で支えられているので敢えて製作しない。座ると曲げた膝の所にくるので恐らく大きな問題はないと思う。
「旅をする舟 ハイブリッド艇」 その2
その1
http://ameblo.jp/kaisouoriginal/entry-12272824275.html
セールやラダー、パドル等は帆かけサバ二の経験しかないのでそのまま使用することにした。 浅いリーフに入った時にワンタッチで上げ下げできるシーカヤック方式は魅力的だが私にはこうした経験がない。 カヤックのモノを併用すると強度はどうか?判断が付かない。悩む装備については全て経験値を積んだサバ二方式にした。
今回アウトリガーを付けるか随分迷った。アウトリガーは安定感抜群だし仮に沈しても復活は容易だ。 何しろ乗っていて疲れない。リーボードを付けると風上にだってきっと上れるだろう。こうしてみるとアウトリガーは言うこと無しだが今回は敢えてモノハルにする。 昔の海人がそして多くの漁師が舟をモノハルにした意味を知りたい。
一方でいつかは南太平洋に伝わるセイリングアウトリガーカヌーのように海上で簡単に左右に移動する方法もサバニで造ってみたい。アウトリガーを風上に向けることでアウトリガーに掛かる負担は軽減されるばかりか安定と船の持つ最大限のポテンシャルを発揮する。
サバ二本体にリーボードやセンターボードを付けたら?と夢想は尽きない。
奄美大島~宝島間100kmを超す海峡を60フィートのクルーザーも引き返した荒海をもアウトリガー付のサバ二は乗り越えられた。アウトリガーはしっかりした装備と経験があればその走破力は決して侮れない道具だと思う。
「旅をする舟 ハイブリッド艇」その1
かねてから帆かけサバニとヨットとシーカヤックの利点を取り入れた、トリプルハイブリットは出来ないものか? なんて夢想していた。
帆かけサバニはオープンデッキのため水船になると安定を失う。復活できるとはいえ荒れた海ではそんなに簡単ではない。
本来サバニは漁師の舟なので使い勝手のいいオープンデッキだが、移動手段とするならシーカヤックのようなクローズドデッキにしたら、たとえ沈しても随分と楽になる。 またバラストを兼ねた重いキールを設置したら沈のリスクは減り起き上がりも楽になるだろう。
向かい風でもいい角度で上れるのではないか? 浅いリーフの中に入る時は引き上げるようにすれば問題ない。
ヨットもシーカヤックもそしてサバニも、長い年月を重ね、その土地のニーズによって培われてきた。その完成された形を大した経験もなく思い付きで手を加えたところできっと挫折するのだろう。 諦めては、また頭をもたげる。なかなか諦めきれずにいたが公開造船を機に隣でこっそり手を加えることにした。
サバニは数年前石垣島のサバニ大工・新城さんからプレゼントされたもので大きさは6m。この際、島を旅する道具としてカスタマイズする。 とは言っても所詮は素人。イメージがどこまで形になるのか怪しいところだが、レースや航海での経験は無駄にはならないと自らを励まし延々と続く悩みの日を切り開いていこう。
先ずざっくりとしたイメージ
・ 定員は二人 (基本ひとり)
・ シーカヤックのように人が入る以外は全てクローズ
(可能であればスプレースカートも)
・ リーフの中にも入れるよう上下できるウエイトのあるキール
・ スタイルはモノハル
細かくは色々あるが、ざっくりとこんな感じかなー。きっと製作している課程で、どんどん変更いくのだろう。
更に海に浮かべたところで完成ではない。
ハイブリット製作のエネルギーが残っているうちは失敗を重ねつつ作業は続く。と 思う。逆に海に浮かべて一発で自らの浅はかさに打ちのめされ何事もなかったかのように記憶からも抹殺するかもしれない。
怪しい。?
免許証を見て本部かどこかに問い合わせ、車を調べられ、仕事は?これからどこへ?ルーフキャリアは何に使うんですか? なかなか解放してくれそうもなかったから、これから工房へ一緒に行きますか?と誘ってみた。最後に飲酒の検査をしてやっと解放してくれた。
ウィンカーのせいだけではなさそうだが、、
いつだったか空き缶を拾っているおじさんに「ここは俺のだから缶 拾うなよ!」と脅されたことがあった。しかも一度ならず二度までも、
普段から小汚ない格好をしているのでそのせいだろうか?
店に入り鏡の前に立ち改めて自分をマジマジと見た。
髪はボサボサ 髭は伸ばし放題 この体にぴったりと合うヨレヨレのTシャツにパンツ 確かにどこから見ても浮浪者と変わらぬ姿がそこにあった。
今さら直せる訳もなく、むしろ、これから更に磨きがかかってくるのだろうなー
西表ヤマネコ
この間を毎日走っている人でさえ出会えるのは年に一度 あるかないかだという。
南国 西表とはいえ今日は13°と寒く、雨混じりで風が強く、そのせいか毛並みは少し濡れていてヤマネコもさぞ寒かろうに、こんな日でも食べ物を求めるのを怠ける訳にはいかないのだろう。
餌を求めて危険な道路を渡って浜に行こうとしていたのだろうか?渡った後 驚いたように側で止まって私たちを見ていた。その姿は確かにネコの仕草だが深い森に生きる気高さのような迫力に満ちていた。
そしてすぐに林の中へ消えていった。
写真や映像では何度も見ているはずだったがこうして生で見るとこの土地に確かに息ずいているのをリアルに感じる。
ありきたりな言葉だがヤマネコがいつまでも暮らせる島で会って欲しい。
新城さんは元気です。
一時は生死を疑われ、長く昏睡状態が続いていましたが、数日前から意識を取り戻し、今は普通の話ができるまでに回復しています。
無くなった片腕も復活できそうな勢いです。 娘さんもその頑健さに驚いていました。
治療やリハビリはまだしばらくかかりそうですが、とにかく次に向けて動き出しました。
帆かけサバニ公開造船について
フーカキサバニは、2002年から石垣島 白保に暮らすサバニ大工 新城康弘さん(現89歳)に帆かけサバニの発注をはじめました。
今回、地域の文化発展の協力を申し出てくださった神奈川県在住の佐藤道明様をはじめ、これまで北海道在住の須貝則昭様、神奈川在住の丸山康幸様などの協力を頂き、この15年程で20数艇の新たな帆かけサバニがこの世に生まれました。
このように途切れることなく制作を続けられたことが、次に繋げる動きとなりました。
今回のサバニ制作者 長嶺 誠は2013年に約一年間週末ごとに 沖縄本島から石垣島へ通い師匠である新城さんに師事し6mのサバニを完成させました。更には2016年春、7mのサバニを新城さんと共に約40日間で完成させました。今回 帆かけサバニチームうみまるキャプテンである武林多加志さんのサポートを得て、初めて師匠である新城さんの手を離れ制作することとなりました。
現在糸満市の大城 清さんをはじめ数人の優れたサバニ大工がおられます。
大先輩方に比べては遠く及ばないにしても、次の世代に繋げられる若者によって沖縄本島北部 名護市でのサバニ制作のチャレンジは少なからず価値はあると信じます。
このようなチャレンジに意義を感じ私たちを信頼し制作を託して頂いた佐藤 道明様に改めてお礼を述べたいと思います。
レースへの継続的な参戦、外洋航海、体験会、メンテナンス等これまでの経験を活かし、時代に求められる完成度の高いサバニを目指し最大限力を注ぐ所存です。