生ビ,いつもハッピー! 世界一周編 -3ページ目

エチオピアでビール!

確かに黒人さんの割合が多い、というか、まだ、暗かったせいもありよく見えなかったが(着ている服だけは見えた)、あの服達はみんな黒人さんだったんだろう。


今まで感じたことのない奇妙というか、ドキドキ感を覚えつつ、安宿地区ピアッツァへと向かった。


イエメンでは、ムスリムの国だけあり、ビールを口にすることは一度もなかったわけで、エチオピアで宿に無事チェックインしたオレは、その乾いた喉とビールをひたすらに欲している身体を気遣い、朝6時から宿のバーで瓶ビを発注することにした。


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エチオピアで常飲されているビール、セントジョージ   宿で11ブル(約80円)


喉を通り抜ける琥珀色の液体を体中で味わい、朝っぱらから五臓六腑に染みわたる久々のビールに下鼓をうつ。これほどの幸せがあるのかっていうくらい至極のときだ。


アフリカ、もしくは世界でも指折りの最貧国にしては高いビール。しかし飲まずにはいられない、でも高い。なんて考えながら、1本飲み終えるることには日も昇り始め、外の人達の全容が明らかになってきた。

そう、みんな黒い!

宿のお客さんの中には白人さん、アジア人も少々いるが、ここはエチオピア、やはりみんな黒人さんなのだ。


ガイドブックなどには、エチオピア気をつけろ!とか、スリ、強盗に注意!とかビビって渡航を再考させられるような文言が所狭しと並べられているが、まだちょっと薄暗いなか外に出て思ったのは、やはり怖いだった。


日本では「あんた黒いねぇ!」部に所属するカイだが、ここアフリカではそうは問屋が卸さない。明らかに毛色と顔質の違う極東のにぃちゃんを睨みつける、漆黒の顔面からギョロリと光る2つの目玉。向こうとしては睨んでいるつもりはないのだろうが、最初はちょっと気圧された。


とりあえず、「オレ、拳法の達人の弟子の知り合いなんだけどなにか?」的なオーラを出すように胸をはり、たまに「おりゃ!」と掛け声をかけながら、宿付近の安いビールを求めて朝もやの中を歩いてみた。


と、ホントの場末にある、朝7時なのにやっているこじんまりとしたバーを発見。8畳くらいのスペースにパイプ製のテーブルと椅子が数個置かれているだけのその空間には、朝ももう白けきった8時という時間にも関わらず数人のエチオピアっ子達がビール&ダンスに興じていた。


ほう、生ビールがあるじゃんか!

この頃には怖さってのをすでに忘れていたと思う。生ビなんて響き自体が久々なわけで、むしろこの生ビがオレを呼んでいたんだななんてほくそ笑む。


「へい!にいちゃん、生ビ一杯いくら?」

「スリー」

「ん、スリー?」

Damn!! 耳を疑った。3ブルって言ったら日本円にして約25円くらいなもんだ。安ビールと言えば、カンボジアの50円生ビが最安だったわけで、その最安の2分の1!そんなわけがわけがない。チロルチョコ2個と半分しか買えない値段で‘あの生ビ’が買えるはずがない。オレは他のヤツが飲んでるジョッキを指さし、再度確認した。


「それよそれ、いくらよ」

「スリーだ」


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きたー!!25円セントジョージ生ビ!


味はというと、一杯目はそこそこだが、2杯目からは何故かうまくなる不思議な生ビ。でもたまにぬるーーい、炭酸の抜けたものが登場する、まさに気の抜けないビールだ。


イエメンから到着したばかりで、さらに朝っぱらで、ちょっとだけっていうつもりが、あれよあれよと4杯、5杯。


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この後、アジスに居る間、オレはここに通い続けることになる。

ブラック・アフリカへの第一歩!

入国に際してVISAを取りにいくと、オフィスにいた4人全員が机につっぷして寝ていた。確かに朝早いからなぁ(このとき朝4時)、ま、眠くてもしょうがない。

実はしょうがなくもなんともなくただのサボリだってのに気づくのにはそうは時間がかからなかったが、一応、あ、すみません、起しちゃってという態度をみせつつも、オレがしているのは至ってまともな手順にのっとった行為であり、空港に長居は無用とばかりに詰め寄った。「早く・・いやお時間ありましたらVISAいただけませんでしょうか??」

最上級の丁寧語でだ。


アフリカってめちゃめちゃ日差しが強くて、乾燥してて、日陰にいないとたちまち現地人のようにまっ黒に日焼けして、もしかしたらそのまま髪の毛が縮んで勝手に坊主ばりの長さになってしまう!?と言う思いがあり、前の国イエメンで日焼け止めをもらい、これでなんとか東南アジア人くらいの肌の色を保てると思っていた。髪の毛は帽子でケアだ。


VISAを受け取り、夜逃げ?といわんばかりの大量荷物検査の現地人の横入りにもめげず、荷物検査を通り抜ける。空港内はこれでもかっていうくらいに冷房が利いていて、自分が持っている唯一の長そでシャツだけではそろそろ耐えるのが限界になるくらいだった。早く外に出て体をあっためないとアフリカ初日にして風邪をひいてしまう。オレは勇んで未だ暗い空港の外へ足を踏み出した!

ブラック・アフリカへの第一歩だ!


!?

寒い!そして小雨降ってる!


空港が冷房を効かせていたのは確かだが、外はというと、もしやあれは暖房だったのかしら!?というくらいの寒さで、乾燥どころか雨降ってるし、空港出てまずしたのは、バックパックからジャケットを出すことだった。


後から知ったのだが、この時期(7月後半)のエチオピアは雨季!

むふぅ、アフリカって寒いのね。という第一印象だった。


ここから南アフリカのケープポイントまでのアフリカ縦断が始まった。

せっかち!?エチオピア

イエメンからのフライトは2時間弱でエチオピアの首都アジス・アベバに着く。

すごい近いけど、ここからが完全未知の領域、‘ザ・ブラックアフリカ!’だ。


機内からすでに、髪の毛ストパーかけたらもしかしたらロン毛!?的ちりちり頭の漆黒の肌を持つ人たちで溢れており、飛行機が珍しいのか、初めてなのか、真夜中、むしろそろそろ朝っていうフライトにも関わらずみんなのテンションははちきれんばかりに高かった。

オレは、その様子に「今にも立ちあがって踊りだしてしまうのでは!?」とハラハラしながらも仮眠をきめこんでいた。


飛行機ってのは、着陸してからちょっと走って乗客を下ろす場所まで移動し停止、機長がシートベルトサインを消灯させたらベルトを外して荷物とって外に出るっていうきまりになっている。


オレが乗り込んだ飛行機、ゴンゴゴゴンッ!と少々荒いながらも無事着陸をきめ、飛行機を落ち着かせるためにしばし滑走を続けていた。

と同時に聞こえる音、パチ、パチパチン!?

あれ、この音もしや!?と目を横に向けると、そこには!


もうみんな立ってるぅ!!着陸したてなのに荷物取ろうとしてるぅ!!


落ち着けよ、お前ら!落ち着けって!!

誰も取って食わないからっ!


結局慌ててとんできたスッチーによってみんな席に戻されシートベルトまでつけられていたが、しかし、アフリカ!インドと同じくらいせっかちなのか!?