「人間にしかできない仕事というのも少なくなってきています。
仕組み化は社会のあらゆる場所で進んでおり、その変化は企業戦略のみならず、個人の生き方、働き方にも直結します。今、人手が必要な仕事も、明日には、機械を使った新しい仕組みに取って代わられることもあり得るのです。
現実に、製造業においては、多くの職人技が機械に置き換えられてきました。
オフィスを見渡せば、IT機器によって不要になった仕事はいくらでもあることに気付きます。
(略)
もっとも、機械に置き換えられない仕事もあります。
マッサージ師やカウンセラー、コンサルティング的な要素を含む仕事は、今後も生き残っていくでしょう。相手の反応を見ながら適切な対応をしなければならない仕事、コミュニケーションが重要な仕事、完成品を想定できない仕事を、機械を使って仕組み化するのは相当困難なはずです。
伝統工芸品の製作や、バレエのように肉体を使う表現も人間ならではの仕事です。このような仕事は、製作過程と個人のノウハウは不可欠だからです。
ただし、こういう仕事に就けるのはごく少数。ほとんどの人は、仕組みを使って大量生産やサービスを作る仕事に従事しているのが現実です」
引用文献)
小飼弾の 「仕組み」進化論
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