海星の №3
主将 河村 勝虎 選手 (かわむら かつとら)
3年生 外野手 174cm 67kg 右投右打 東部中出身
大きな声でチームをまとめる主将の河村勝虎選手。
チームメイトに同じ「カワムラ」姓の川村忠義選手がいるため、
「カツトラ」とみんなから呼ばれるキャプテンはセフティーバントが得意。
50mは6秒6と特別俊足という訳でもないが、絶妙なラインに転がし何度も決めてきた。
実は小技のバントが得意になったのには理由がある。
本格派の高木投手を中心にした厚い投手力で、自信を持って臨んだ1年生大会。
県大会優勝を期待されながらも四日市地区予選1回戦で菰野高校にまさかの敗退。
この試合、2点を追う終盤の8回に一死から連続ヒットが出て1・2塁のチャンス。
ここでカツトラ選手に打順が回ったが、送りバントはコースが甘く失敗。
走者を進める事ができずに、この回得点できなかった海星はそのまま2点差で破れてしまったのだ。
「負けたのはすべて自分の責任。押せ押せのあの場面、バントを決めていれば絶対に勝てたはず」
悔しい思いをしたカツトラ選手はそれから何度も何度もバントの練習を行ってきた。
小学校のころから全国大会で活躍してきたカツトラ選手にとって、地区予選の初戦敗退はかなり大きなショックだった。
愛知県出身のカツトラ選手は、小学生の時に「三河一宮ブラックタイガース」、中学生の時には「オール豊川」で
いずれも全国大会ベスト8の好成績を残している。
全国大会の準々決勝の壁を乗り越えられなかったカツトラ選手の目標は「全国制覇」。
地元・愛知県の代表として甲子園へ出場し、優勝するのが夢だった。
進路を決める際、愛知県内のどの高校へ進学するか迷っていたが、コーチから海星高校の話を聞かされれて思いが一変。
全国制覇経験のある愛知の強豪校ではなく、「三重海星」で全国制覇する夢を持つ事を決意したのだ。
甲子園で3度、ベスト8に進出しながら準々決勝の壁に泣いてきた三重海星の野望と、自分自身の夢を重ね合わせた。
カツトラ選手の夢の実現へ向けた大一番、昨秋の東海大会の準決勝。
あと一つ勝てばセンバツ確定する岐阜・中京との試合、7番・レフトで先発出場したが、途中交代。
しかも9回には、小・中学と同じチームだった中京・3番の角谷大志(すみやたいし)三塁手にダメ押し2ランをレフトスタンドに運ばれての完敗だった。
秋季大会を終えてから、カツトラ選手は捕手の練習も行っている。大きな声と強肩を活かしたコンバートだが、外野守備の練習にも余念はない。
「常に謙虚さと感謝の気持ちを持って、全員野球で頑張ります!」
力強く語るキャプテンの見つめる先は、もちろん「甲子園」だ。
秋季大会では得意のバントだけではなく、
チャンスで何度も勝負強いバッティングを見せた。
風の計算が難しい霞ヶ浦球場での好守も光った。