回路Rサスペンス劇場「あの首」公演後記&備忘録② | ミステリー専門劇団回路R ~ 回路R人のブログ

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回路Rは、ミステリー、サスペンス作品を芝居と朗読で製作している劇団です。
メンバーの活動や、稽古日誌、公演後記などを綴っています。
2023年10月より金田一耕助シリーズ「不死蝶」にて、有観客での舞台公演も再開いたしました。

どうも!

年末の歯のクリーニングに行ったら、デンタルフロスをしてくれた歯科助手さんが雑過ぎて、先月つけた被せ物を思いっきり外された団長です。


という事で…


劇場下見も終え、3月に入って少しずつ役者さんへのオファーを開始。

どんな台本になるかわからないし、オファーの段階では内容も役柄も伝えられない。決まってるのはタイトルだけ。


ほぼ毎回客演ご協力いただいてる方々ですが、中にはオリジナル作品は初めてという方もいたので、出演可否検討の材料としては森本の脚本を信じてもらうしかなかったわけです。


3月の時点では、6〜8月のルパンをやる事は決定していたので、ルパンに出演していたメンバーには立て続けの出演以来でした。一通りオファーが完了。

とりあえず声をかけた皆さんには無事にOKの返事をもらい、さてルパンの準備に取り掛かるか…


と思っていた矢先に森本が呟く。


森「今年、江戸川乱歩生誕130周年やねん」

団「ん?あ!じゃあ乱歩やらなあかんやん!」


ということで、どこかで捻じ込めるか検討…

やるとしたら9月?

でもあの首出演者に送った企画書には8月後半から稽古スタートったら書いたしなぁ…


でも乱歩やりたい…そして、やるならルパン3部作の翌月は黄金仮面という森本の計画を聞くと、ワクワク過ぎてこれはもう乗るしかない!


そんなわけで急遽劇場探しを開始。

やるなら乱歩先生お膝元の池袋で。と同時に前月あの首で依頼したばかりなのにまたまたオファー。


いや、客演さん3人は流石に6〜9月連続って引き受けてくれるかな?

なんて心配してましたが、ご快諾♫

あの首の稽古は9月になってからに変更。


こうしてあの首前に4ヶ月連続のライブが決まり、この4ヶ月で回路Rを知ってくださった方々が、あの首を観に来てくださるという貴重な出会いの期間となりました。


6月に入り、ルパンシリーズ、黄金仮面の準備を並行して行う中、現在は九州の方にいるちょうさんこと長倉充幸氏に


「芝居の公演は稽古期間が長いから難しいと思うのだけど、9月に朗読劇やるから、リモートで稽古参加して本番にこっちに出てくる感じで出演いかが?」


と連絡を入れたところ、7月に一度状況する旨、そして9月からの宿を模索中との連絡がありました。


「という事は、朗読劇は出演OKという事で良いのかな?」と思い聞いてみると、


「黄金仮面参加したいのです♫」


という、嬉しいお返事が…(笑)


そして7月に久しぶりに会ったちょうさんから、9〜12月までの宿を探してるの!と聞いてびっくり!




「え?ちょうさん、4ヶ月こっちで滞在?あの首出られるの?」

「うん、と思って今探してるとこ」


あらあら、まさかのあの首まで出演いただけるとは!ほんとありがたい(笑)


そんなわけで、7月には急遽ちょうさんのあの首出演も決まり、ディオゲネス、黄金仮面、そしてあの首の準備を並行するという、回路R未だかつてないほどの制作てんてこ舞いの日々が始まったのです。


6〜7月のディオゲネスのルパン2作も無事に終え、3作目の「さらば愛しきソニア」がオリジナル作品だったので、なんとかほぼ書き上げた状態で稽古は開始したものの途中で書き換えたり…でドキドキ。


ようやく無事にルパン3部作が終演した翌週、8/18から黄金仮面の稽古開始でした。


この3部作が終わってから黄金仮面取り掛かったんですよ。ほんと間に合うのか⁉︎

と、ドキドキ通り越してヒヤヒヤ(笑)


で、実はルパン3部作目の打ち上げの席で、11月のディオゲネスに「牡丹燈籠」で参加する話しが出て大盛りし、そのまま勢いをつけて翌日には参加が決定しました。


これで6、7、8、9、11、12月の公演が揃いました。


となるとここからがさぁ大変。

9月は黄金仮面の本番前にあの首の稽古が始まった為、黄金仮面の稽古をしつつあの首の台本を書いてもらわなくてはならず…しかも今回はオリジナルで芝居公演。



朗読劇の台本以上に書く前の準備も必要になるわけです。

そして森本の尻に火をつける為、毎日「書いて〜」「書いて〜」と鬼のように言い続ける団長。


というのもですね。

回路Rだけではなく、森本が水戸で参加している朗読公演の台本や朗読教室でやる台本も、実は毎月のように書いているのですよ。

なので公演の早いものから順番にと言われると、あの首が一番最後になるわけですが、そうは行かない!


なんてったってこちとら16人出演する公演なので、稽古日程の調整から大騒ぎなのです。

スタッフさんとのやりとりも含まれ、ましてや11月には牡丹燈籠があるからその稽古も10月にはスタートさせなくてはいけない。


更に団長三味線チャレンジという使命(笑)

稽古が無い日は毎日のように三味線練習しつつ森本の尻を叩く日々。


心を鬼にして書い欲しい団長と、わかっちゃいるけど、書くものがいっぱいあって頭の中で整理をしつつなかなか文字にして来ない森本との攻防戦が繰り広げられていました。


今となってはまるで夢だったのではないかと思うほど、なんとも目まぐるしい日々でしたね。

よくやったよ、私…(笑)


そしてまぁ私が言うのもなんですが、森本は合間で落語も作ったりしているので、頭ん中すごい事になってたと思うのですが、ほんとよくやるなと(笑)


と、あの首稽古初日の様子をすっ飛ばしてしまいました。


もちろん完成するわけはなく…


最初の38ページ位だったかな?

それだけを持って初日の稽古場に行きました。


台本読んだ時の衝撃!

みんなこの作品がこの後どんな展開になるのか、全く理解も想像もできなかったのが正直な所だと思います。


だってまだ子供たちのページまでしか無いですからね。たたり婆さんが出てきて同じようなシーンが繰り返されてる所までしか無いわけですよ。

あまりの衝撃に笑いは起こるけど、どうなんのこれ??という…


団長自身、森本が頭に描いてる全体のストーリーを口頭で教えてくれましたが、最初全く理解出来ず

「どーゆー事?」「ちょっと言ってる意味がよくわからないんですけど」の状態でした。


ミステリー好きの林団員でさえ、最初戸惑ったと思います。


で、読み合わせを何回か繰り返す中、実はこの時点で森本の中でもまだ迷っている配役があったのです。

ぴっかりとモリタン。この2役を日下部団員と美吉栄実里さん、どちらをどちらにするか…


どちらがどちらをやってもおかしくない。

何回か交代で読み合わせしてもらって、その日は一旦保留に。


団長がやった紀香は、ぴっかりと山畑恭子姉さんが演じた亜由美さん、そして森本の縄文杉探偵としか絡まない。

だからどっちがいいと思う?と聞かれた時、団長は迷わず美吉さんと答えました。


探偵助手のキャラクターは日下部団員が得意とする所。気心は知れてるし、想像も出来る。

読み合わせしても最初からテンポが出来ていて、全く問題なし。すでに完成形が出来ていると言っても過言ではないとは思ったのですが、紀香と亜由美の間に入ってくる美吉ぴっかりを想像した時に、今までとは少し違うテンポの、まだ開拓してない未知なる空間が生まれるのではないかなぁと思ったわけです。


そしてその結果、この配役はとても効果的でした。

日下部団員はすごい集中力で9才のモリタンを演じ切り、きっと涙したお客様も多かったと思います。美吉さんも本番が近づくにつれぴっかりがどんどん完成されていき、いい感じの抜け感としっかりさでそこに存在してくれていたのではないかと思います。その抜け感が、のちにいろんな事が蘇る瞬間に活かされてたのではないかと。


とまぁそんな感じで稽古がスタート。

9歳役に驚きと衝撃を隠せないたっちゃんこと高山さんと、宮内くん。

これをどう演じるのか、すごい模索しつつ、迷走しつつ(笑)だったかと。


黄金仮面も無事に終わり、稽古を進めつつ10/10には一度完成したあの首台本。

思ってたより早かった!ヽ(´▽`)/


すごい!よくやった森本!


と喜んだものの、ここからなんですよ。森本の台本は。


修正と書き換えが始まります。


つづく