2019年11月7日(6)
生きて思う事 25
老人センターで、元海軍の兵隊と知り合いになった。
毎日のように会う将棋の相手である、数日後、つくづくと戦時中の話を始めた。
終戦の年に、上海行きの輸送船で潜水艦の攻撃を受け、対馬の近くで撃沈されたそうである。
海上を数時間も漂流して、気を失い、対馬の漁民に助けられ、浜で焚き火にあたり気がついたと言っていた。
よほどのショックであったらしく、時間まで覚えていて、漂流した同僚の最後を鮮明に覚えていた様である。
漂流の初めは、元気な言葉で励ましあっていたそうだが、最後には、「お母ちゃん助けて」の泣き声だったそうである。
勇猛な兵隊も、最後は子供と同じ泣き声。
戦記物を読むと同じ記述は沢山出てくる。
タイタニックの沈没で多くの人は、
「神よ、今そちらに帰ります」
と死んでいったそうで。
「主よ御許に近づかん」の賛美歌ができたと聞いた。
神を頼みにした人と母に叫んだ人の違いであろう…。
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