胴綱(どうづな)
若い頃、電気工事の見習いをしていた。
電柱へ昇る事も多く、最初は抱きついて昇っていた(当時は、ほとんど木柱)。
その内、胴綱の使い方を教えられ、電柱の上で綱に腰掛ける様にして仕事をする様になった。
上手に使える様になって、これは便利なものであると感心した。
もしこの綱がなければ、片方、又は両手で電柱にしがみついていなければならないし、作業は全く出来ないし、気分的にも快適ではなかったが、この胴綱一本のおかげで両手は自由になるし、仕事が出来る心理状態にもなる。
時々は下へ降りたくなくなる程、景色を眺めていたものである。
この胴綱を何ヵ月も使っていると、すっかり使い方を覚えてしまった。
自由に快適に安全に使うためには、下記の事が判ってきた。
☆この綱は絶対に切れないと云う確信が必要(普通、自分用の胴綱を持っていて、10倍位の力が掛かっても切れる事はない)。
☆この綱は緩く使うよりも、うんと力を掛けた方が安全である(結びが解けにくい。引っかけが外れにくい)。
☆以前は、しがみついていた電柱から身体を遠ざける方が安全であり、又自由である。
後日、イエス・キリストによって救われて後、これらの事を思い出して、信仰生活に於ける教訓を得た。
電柱はこの世である。
胴綱はイエス・キリストである。
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