救われてから先ず始めた事は、罪の清算であった。
先ず神様に謝った(実は謝ったので、救われた)。
会社からゴマかして家に持って帰った品物は返した。
それから、国鉄の駅にはゴマかしたお金(キセル乗車)を返しに行った。
しかし駅では受け取って呉れなかった。
いわく、
「今日の事なら受け取るが、過去の分さかのぼって受け取る事は出来ない。今までの分は結構ですから、しない様にして下さい」
当時、思い出した悪事で償えるものは順次償ったと思うが、その他では思い出せない。
次に、私の周りの人、一人一人に謝りに行った。
「私は、イエス・キリストによって救われた時、今迄どんなにあなたを憎んでいたか判りました。どうぞ許して下さい」
ある日は、私の直属の上司へ夜、謝りに自宅まで押しかけた。
一番難しかったのは、私の部下へ謝った時であった。
彼は何の事か判断に苦しんでいる様子であった。
又、会社の同僚は救われた時の私の変わり様を見て、只々驚いている様子であった。
私の心の中は、救われる前とは全く変えられ、心の中より出てくる喜びを押さえる事に苦労する程であった。
特に神様の喜びがヒシヒシと判った。
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