江戸時代頃の仏像の台座 | ◆彫刻家◇吉水快聞のオフィシャルブログ

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各展覧会のご案内や彫刻のお話、仏像のお話。保存修復のお話・・・等々、日々の出来事を、記していきます。

こんにちは、9月に入って急に涼しくなって過ごしやすくなりましたね♪

8月は一年で一番、お寺の法務でばたばたするので、あっと今に秋になってしまいましたが、

秋は、おいしいものがいっぱいの素敵な季節でこれから楽しみですγ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞキノコ


さてさて、先日の「ココロ見」、ご覧いただきました方々ありがとうございました。

堂本剛さんも素敵な方で、他の出演者の方々もとても面白い方々で私も楽しんで拝見できました♪


※一か所、一応訂正しておきます。

 ワタクシの発言で「執着」を「しっちゃく」と言ったのか、そう聞こえるのか・・

 正しくは「しゅうちゃく」もしくは(仏教では)「しゅうじゃく」です。失礼いたしました。


NHKや制作会社の方々もありがとうございました♪m(_ _ )m



さてさて、先日、とある方から「ご本尊様の台座がグラグラしていてちょっと怪しいので、一度みてくれないか」という電話を受け、いって調査してみると・・・。


「倒壊寸前」(((゜д゜;)))


 絶妙なバランスと、ところどころの針金のおかげで、なんとか保っているだけで、お像を動かすと台座が崩壊しかねないという状態でした。


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ご住職も流石に見て見ぬふりもできないということで、後日、仮台座を制作してから、お像を動かして、台座を外していくと・・・・・・


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台座は、構造材はほとんどなく、動かしただけでバラバラ・・・(°д°;)


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見えるところしか材が使われておらず、「ハリボテ」状態。

下は、ふっかふっかのネズミさんのお家・・・・・!?

( ̄□ ̄;) おぉぅ・・・お・・おじゃまします・・。

巣の材料の中から、仏像や台座も部材も散見・・。


そして台座どころか、基壇 (仏像を安置するための高くつくった建物の基礎のこと) 部分からハリボテ状態・・・(°Д°;≡°Д°;)

(※これは特異な例ではなく、このような状態のお寺やご本尊は、奈良には多いとおもいます。)


しかし、このお寺は昔からそんなに裕福なお寺ではないそうなので、(お寺に裕福 云々があるものおかしな話ですが・・・)しかたない・・。

というか、それでも、ある時期に復興して現在まで守ってこれたことは素晴らしいことです。

が、しかし・・・今のご住職の先代の時代に、灯篭など、本堂を飾り付けるものは多少買っていて、そのお金があれば修復できたんじゃないかなぁ・・とご住職・・・


「びんぼっちゃま」やね・・・とご住職と苦笑いしておりました・・。

(※私とご住職とはごく親しい関係です。)


表面的な装飾の部分より、ご本尊の足元・・・・根っこの部分をしっかりしておかないと、根元から崩壊する・・。

人の人生みたいですね・・・基礎基本ををしっかりしておかないと!!!

なんてつくづく感じましたとさ。σ(^_^;)


バラバラになった台座を一時別の場所に保存して、ご本尊様を仮台座に安置してとりあえずひと段落。

(-。-;)ふ~。 修復については先方もこれから大きい法要があるそうなので、また後日相談です。


そんなこんなで、これから過ごしやすい季節ですが、季節の変わり目、体調管理にお気を付けください!!(^ε^)♪