地元の駅で中学の時のクラスメートと目が合い、見事に全く気がつかれなかった今日この頃、皆さんガイハさんの姿は見えますか?
ついに存在がエアになってしまったかと思いましたが、ガイハさんからも声をかけなかった上に、10数年ぶりの再会。
当時が坊主だった事を考えればわからなかったとしても無理がないかも知れません。
こうやってすれ違いを重ねて元知り合いから他人になっていくのでしょうね。
『あの人は今?』
それすら話題に出ない日も遠くないかも知れません。
ひとーつ…ひとーつ…またひとーつ…
1日1日増えていく1つ1つの"カケラ"を積み重ねながら、天を仰ぐ男。
『いつまで過ちを犯すのだろう?このままでは…このままでは…。』
意を決し、山の中に手を伸ばすのだった…。
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『ついつい細かい事が気になってしまうのが僕の悪い癖。』
といえば杉下右京ですが、ガイハさんにも直したくても直らない悪い癖があります。
それは"最後の1つ"を残してしまう事。
例えば、漫画の最終巻や残り一口分残ったワインボトル、紙が見える手前のセロハンテープ…。
あと一歩でゴールというところで、今までの道のりが走馬灯のように蘇り、これ以上踏み込んだら全てが無に返るんじゃないかと恐怖感に煽られます。
行くか…でもまだ行きたくない!
ギリギリの高揚感を楽しんでいたいっ!
そして、良くないとわかりながらもそのまま状態で永久保存。
最終回は見られる事なく忘れられ、食べ物や飲み物に至っては腐食の道を辿る事となります。
その中で、貯めに貯めってコレクション化したのがホールズ。
『最後の1球』コール虚しく、残り1つになるとついつい新しく"補充"しまいます。
そして、1度溶けて固まった独特の感触に加え、決して初恋のものとは違う甘酸っぱい味となって再会。
もはや別物と言っても過言ではありません。
先日も冬物のコートのポケットの中から"今期モノ"だと覚しきホールズを発見し口に含んだところ、覚醒と共に胃酸が噴射。
2006年モノでした。
そういえば昔、キャンドルを集めるのが好きな知り合いが『火が消える瞬間が儚くて胸が痛むんだ…』と話していたのですが、ガイハさんには『蝋燭とそいう生命の灯が』という意味にしか取れず、彼が真夜中にひとりソロモンの笛を吹きながらエロイムエッサムしている姿が頭に浮かんで、間違ってま友達にはなれないと確信しました。
そうか、つまり最後の1つは生命の残り火のようなもの。
このまま永久に残し貯め続け…
るわけにはいけませんよね。
誰かガイハさんにほんの少しの勇気を下さい。
ええ。
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1つ取り出し弾力を確かめる。
『よしっこれなら大丈夫だ。』
!!
『おぉぉぉぉ○▲※□▼…』
そして部屋中に叫び声が響き渡った…。
