ハワイアンレストランに行ったら出て来た料理の殆どに卵が付いてきた今日この頃、皆さん寄ってたかってガイハさんを苦しめるつもりですか?
手をつけられる料理がない上に、店内の卵臭によって鼻呼吸すら出来ないガイハさん。
詰まった声での会話に、何度も聞き返えされる始末。
まさに命懸けの『護摩行』の如く2時間の苦行、不動真言を唱えたくなりました。
分煙が進む中、是非とも始めて欲しいものです。『分卵化』を。
定期的に行われる近所の広場での無名アイドルのリサイタルや、上半身裸の路上パフォーマンスのおかげで、不快な音には慣れていますが、そんなガイハさんでも聴くに堪えられないアコースティックディオに出会ってしまいました。
夜の渋谷、20代後半ー30代前半の男二人。
赤と青のアハロシャツに麦藁帽子。
冬の夜にハワイアン、どう考えてもアコギよりもウクレレスタイル。サザンの関口和之か。
いや音楽は外見じゃない!
大事なのは音、ソウルじゃないかっ!
もしかしたら容姿で油断させて、聴いた事もないような美しい旋律を奏でるかも知れません!
時間のせいか聴衆は一人もいませんが、おそらく一度演奏を始めれば人だかりが出来るはず。
道路の向かいから耳を澄ませる事にしました。
『1、2』の合図と共にギター演奏がスタート。
!!
弦が引っ掛かるような歯切れの悪い音に、チューニングを疑いたくなるような不協和音。
そして
『I love you~♪お前を~愛してる~♪』
べた…。
しかも同じ意味…。
『Close your eyes、瞳閉じれば』以来の衝撃。
繰り返される『愛してる』の執拗さに感じる愛憎心。
悪寒。
寒い、寒すぎる!
外も寒いが演奏はもっと寒い!
そんな事は露知らず、次第にヒートアップしていくハワイアンズ。
路上に横たわるホームレスも狂気に満ちた目で凝視しています。
壊滅的な曲を歌いあげ『サンキュー』。
あぁ誰もいないのに感謝してる…。
彼らの前には妖精でもいるというのでしょうか!?
いつの間にか大人になってしまったガイハさんが見えないだけなのでしょうかっ!?
『そろそろ盛り上がって来たんでカヴァーやりたいと思います!』
本人達だけが盛り上がる中、そんな感じのMCから始まったのが
『部屋とYシャツと私ぃ~♪愛するあなたのためぇ~♪』
滑舌の悪い歌声と演奏のおかげで、頭に浮かぶのは四時半ボロアパートで染み付きシャツを干す不法滞在のアジア人。
『もし私が先立てば~俺も死ぬと言ってね~♪』
もはやストーカー。旋律という名の負の戦慄。
しまいには感極まったのか歌まで途切れる始末。
酷い!酷すぎる!あんまりだっ!公害だっっ!
ライブハウスですら審査があるのに、公共の場で許されるはずがありません!
道路交通法以前に迷惑防止条例違反だっ!
そして気が付けば
『CD1000円で発売してますー!今なら1stシングルと合わせて1500円!買ってくださいー!』
メロディに乗せて必死のセールス。しかも抱き合わせ、戦慄曲の実践販売。
さすがのガイハさんも堪えられる事が出来ず、その場を立ち去ろうとすると警官がやってきました。
『君たち!無断で何やってるんだ!』
ご愁傷様です。