「――くん、陸奥守くん」
「んー……」
「陸奥守くん」
「……おお、先生。どういた?」
「ふむ、今回は6回目――と」
「先生?」
「ああ、毎回陸奥守くんが何回名前を呼べば返事をしてくれるかを書き留めていてね。ちなみに前回は8回目で返事をしてくれたよ」
「うぇ?」
「ただ、回数よりも声の高低や速度と関連付けた方が良さそうだ」
「あー……すまん?」
「おや、何故謝るんだい?」
「いや、その」
「うん?」
(怒っちょるゆう感じはないけんど――次からは気を付けんといかんにゃあ)
《終わり》
呼び声をおぼえる