チラシには「史上最高齢の”お尋ね者”!?きっと、幸せなおとぎ話」とある。
ある街に風に吹かれて白髪の女性がやってきた。自らを「お尋ね者」を名乗るアンジー(草笛光子)は、いわくつきの物件を借り、そこにBARを開くという。いろいろな問題を胸に抱えながら日々を生きる街の人たちは、アンジーと出会い、他人に左右されない凛とした生き様に触れて、まるで魔法にかけられたかのように”自分らしく”変わっていく・・・
以上がチラシの導入部分だ。本当に、何だか大人の童話のよう展開で、アンジーに影響されながら、それぞれしがらみのなか生きてる人たちが、次第に影響されていく。まあ逐一は書かないが演ずるのも一癖二癖ある人たちが登場する。
短いストーリーの中に、訳あり物件の「浄霊」とばかりに活躍しようとする人がでてきたり、母子家庭の中で進路に悩む若者がいたり、それらみんなが騒動に巻き込まれていく。童話でしかあり得ない。暴力団まがいの詐欺集団や、警察まで出動する騒ぎの中、みんなで「お尋ね者」のアンジーを隠し脱出させる。そして、アンジーはまた、新たな世界に向かう。
そんな不思議な映画だし、こんなエンタテイメントがあるっていうのが、日本のある意味到達点であったら、嬉しいことかもしれない。型通りのものでは、面白くもない。