お昼の全国ニュースの中で静岡県が富士山の入山料を表題の通り可決し、昨年から決めていた山梨県と足並みが揃ったと報道していた。取り敢えず一歩前進と見るべきかも知れないが、昨今起きている事態に対しては、何らの対策も待機していない。せいぜい、山梨と同様に山小屋の宿泊予約が入っていない人の夜間の登山禁止するという程度だ。
大きな問題はインバウンドの人が、昨年でもあった入山規制を無視して、むしろわかっていてゲートを通り越して行く人たちだ。しかも、中には極めて軽装の登山スタイルで入り。挙げ句の果てに過労や低体温症などで、救急を依頼してくる。
全国各地で起きているオーバーツーリズム問題と同じだ。富士山でいえば、入山料の一律4000円ではインバウンド対策にはならない。まず、インバウンド向けの料金を高くすること、その上で警備体制の強化、救急診療所の公的運営もしくは補助金支援など(現在は民間の大学がボランティアだやって利用者の寄付金などで運営)、やるべきことはいっばいある。診療所の模様をドキュメンタリーで見たことがあるが、次々と担ぎ込まれる患者に対して多くは医師一人で対応してるし、はの方もボランティアだし、看護師や医師の配置などは公的支援な体制をとらないと、余りにも困難だ。富士山が自然遺産でなく文化遺産だという点からも、登山者の不慮の事故などにもう少しきちんとした対応が必要だ。だから入山料をあげて、それらの経費を賄うことを、考えて欲しいものだ。何より時間外の入山の規制は、雪山でのバックカウントリースキーと同様に、規制違反に対して毅然とした取り締まりをするべきだ。県によっては、法的には違法として取り締まることはできないと公然と言ってるところがあって、そんなことからSNSで、日本では許されてる、と誤解されて世界に広がるという誤解を生むのだ。法的は立法まで考えると大変かもしれないが、少なくとも条例で何とかなる筈だ。バックカウントリーのスキーやスノーボードなども今季は大幅に事故が増えてる現状がある。救助依頼には、誠実に応えている現場の皆さんには敬意しかないが、改めて理不尽過ぎると感じてる人は多いと思う。
もちろん、オーバーツーリズムの問題は、バックグランドに、日本の経済的地位低下にともない、また異常な円安に対して、外国人が見下してみる傾向があることが、なんとも情けない。