私は静岡県民ですが、メディアあげての川勝攻撃はあまりにも異常です。あらゆる番組、コメンテーターもすべてが口を揃えて職業差別と罵り、ついにはご本人の辞職にまで追い込み、さらにそれだけでは済まないでリニアまた問題にまで何も知らないタレントコメンテーターまで「これでリニア問題も前進するのではないか」とまで発言する始末。
リニアの現状すべてが静岡県に原因があるかのような風潮が昨年末から今年にかけて意識的に作られてきたような気がする。なんだか静岡を悪者にされちゃったという、感じだ。
しかし、よく考えてみると、県知事一人がリニアに反対していたわけではない。静岡の行政が集団で取り組んできた結果だし、すくなくとも県知事選挙で多くの県民も知事の姿勢を支持してきたからなのである。今回の「発言」に端を発した川勝攻撃はいつのまにかリニア問題にまですり替えられて、リニア沿線県知事なども更に口汚く川勝攻撃から「リニアでの前進」を口にし出した。県知事自身の姿勢も多くの県民の姿勢も、やはり南アルプスを源流とするきれいな水を守るということが、かなり共通の認識だったと思う。確かに熱海に引っ越しできて驚いたのは、買い物で出かける熱海峠付近や函南などあちこちで富士山が見えるだけでなく、少し高いところからは、富士山だけでなく、西の方を見ると晴れた日には南アルプスが雪を被った山並みが見えることに驚いた。本当に熱海から西の方へドライブしたりするとオクシズと呼ばれる静岡の山間部のすぐ裏側というか、上にこの南アルプスの山脈が見える様子は東京でからしていた時には想像すらできなかったことだ。そして、静岡を貫き代表する河川として、大井川、天竜川があるが、この2つの大きな川が、包含する沿線流域は、静岡県のかなりを占める。だから、リニア工事で河川への影響があるかどうか多くの県民が関心を持つのは当たり前だった。
因みに私が住んでいる熱海や函南、三島市など県西部地域では広大な富士山に降る雪や雨が何年もかけて山域から下流地域の水源となっている。三島市などは市内各地に湧水池や川での湧水が各所で無数に見ることができる。そういう意味では静岡は山間部からの水の繋がりが深い地域と言えるだろう。
まして、私などはまず問題とは全く別に、少子高齢化社会の到来が予測を超えて早まっている時に、今ある新幹線の他に膨大な投資と自然破壊をしてまで、わざわざ新たな特殊な技術を膨大な費用をかけてまで、作る必要があるのか、そもそも、無用な巨大な構造物になるのではないか、という意味でリニア新幹線に疑問を持っている人は多いのではないかと思う。
そもそも建設主体となっているJRにしても全国各地域で少子高齢化社会への対応が迫られていて、かつての国鉄時代と違って、民間だからと言って何でも金だけで決めていいものではなかろう。国や自治体と協力しながら、どう地域を支えていくが考えていかなければならない立場だ。
あらためて書くが今回の川勝発言を期に、なんだかリニア問題まで信任を得たかなようなメディアの動きは絶対に許されることではない。いったいどこの指示なのか、とても、自然発生的とは思えない動きだ。私はいわゆる電通含む内調と言われるあたりではないかと思っている。