この間、いつの間にか三浦大輔監督の話を様々な機会に聞いて漠然と注目していた監督だ。それが、舞台でも注目を浴びた作品の映画化だそうで、私は全く知らなかったが、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷助太輔、前田敦子、中尾明慶の三人は舞台時から引き続きで、あらたに父親役に豊川悦司、母親役に原田美枝子、姉役に香里奈、他に毎熊克哉、野村周平などを、いずれもいわゆる「三浦組」入りして熱演だろう。
舞台からの映画化ということもあってか公式HPにネタバレをステップ毎に書いてある。ここではあえて書かないが、自堕落な生活を送る主人公のフリーターが同棲中の恋人、友人、先輩、後輩、姉、母親などから逃げて逃げて、最後は家を出ていた父親と再会というHPにも「共感と反感が渦巻<<逃避型エンタテイメント>> 」としている。こんな紹介ってあるのか思うが、これがいま話題の作品だという。確かに、映像にするにはどうかとも思うほど、ありきたりの自堕落なフリーターの日常をのれでもかという丁寧さで描いていく、文字通り次々と摩擦が起きそうになると、逃げていく。ついには北海道の実家までわたり、そこからも、逃げるがそこで、自分たちを捨てた父親と再会。なんと逃避術を授けられる。「逃避型エンタテイメント」と言われると、そんなのありかと思うが、これを舞台からやってきたというので、なんか深追い今のを感じるから不思議だ。ただ、ラストの数分が私などにはどう解釈したらいいのか分からない。これをどうするか、原作本があるのか無いのか、この浮遊感をなんとかしなければ。