久しぶりにフジ月9枠で成功の予感 「ラブソング 初回」キーは音楽と脚本 | 昼は会計、夜は「お会計!」

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久々に真面目にドラマ感想を書くことになった。CMで何回も流されていて、福山雅治と新人歌手が抜擢されたという程度の事前知識しか無くて、昨夜初回を観た。
 福山演じるのは、元プロミュージシャン”神代広平(かみしろ・こうへい)44歳で今は企業の心理療法士としてコンサルタントをしている。神代は音楽への情熱を完全には絶ち切ることができない男であること、持ち前のルックスで多くの女性と付き合うもののどれも本気にはなれない。そんな男の前に、一人の「あるコンプレックスを抱え、悩み苦しみ、ひとり孤独を背負って生きていました。神代同様、どこか人生に嫌気が差してもいます」(番組HP)他の紹介欄でも「コミュニケーション能力に欠ける」とか「人付き合いが苦手な女の子」などと紹介されているが、実際の番組内ではセリフとして「吃音」ということばや神代が吃音に関する専門書を持っているシーンなどが映像で出る。
 その女性・佐野さくら(21)演じるのが藤原さくらだ。人付き合いが苦手と言うより吃音者が人の前で話そうとすると振るえたり、緊張すればする程声にならないで手で自分の身体を叩いたり、こんなシーンが積み重ねられていく。ルームシュアーをしているともに広島の児童養護施設育ちの中村真美(夏帆)とのやりとりを通じて小さいときに親に捨てられたとか、子供の頃から吃音で虐められたりの生い立ちが伝わってくる。同じく幼馴染みの天野空一(菅田将暉)は幼馴染みでさくらに心を寄せ、必死に桜を守ろうとしている。
 自動車の修理・販売会社で整備工をしてるさくらは工場内で後輩が事故に遭いそうになってもとっさに声を出せなくて思わず体当たりで助けるが「そのようには受け取って貰えず、工場長からカウンセラーと相談するよう医務室へ行くことを指示される。
 さくらろは神代は会うがなかなかコミュニケーションがとれない。ただ作業用手袋で顔を拭いたときに付いた汚れを神代がティッシュで拭いてくれたことが、さくらにはうれしかった。初めての笑顔だ。しかし面と向かうとなかなか言えない自分に苛立ちながら、それが頂点に達したときにさくらは電車の踏切へ飛び込もうとする。ぎりぎり間に合った神代に助けられ。併せて、知人の言語療法師(宍戸夏希)に受診させる。夏希が治療の一環でリラックスさせるためにピアノを弾きながら音楽療法を試みるがさくらはその幼稚さに思わず笑う。(その前に、さくらが昼休み屋上で何気にハミングで「500miles」を口ずさんでいることに気づき驚く神代もでてくのだが)
 神代がさくらを夏希に託して部屋を出ようとした瞬間、さくらが「500miles」の最初を歌詞を呟いた瞬間、神代と夏希は顔を見合わす、そして、神代はちょっと待てと別室からギターを抱えてきて、静かにギターのコードを合わせると静かに歌いやすいように前奏をつけてやる、そこにさくらの小さいが日本語歌詞が解るほどの音声が聞き取れる。さくらも少しずつ声が大きくなったりはっきりと歌うようになり、神代の伴奏もより豊かな音として広がっていく。高潮を過ぎた頃から、さくらは自分がはっきりと発音できていることに感動しまた声が小さくなりながら涙声になっていく。
 ここは初回のと言うか、このドラマのきもとなrところだろう。さくらが持つ克服しきれなかった障害とも言うべき吃音の壁を越えられ羽化も知れないという可能性とさくらと神代の関係性に大きな変化を耐えたシーンで、涙がずーと流れていた。
 屋上でのさくらがハミングしていた伏線や神代が転がり込んだ夏希のマンションや神代がよく行くライブハウスには、かつて神代が組んでいたバンドのボーカルで夏希の姉らしきポスターが貼ってる。あるときに、夏希が「さくらさんってお姉ちゃんに似てない?」というセリフも出てきていたことなどなど、きちんと伏線が上手に弾いてあった。
 脚本は第26回ヤングシナリオ大賞受賞者の倉光泰子という人だそうだが、新人とは思えない。演出はこれまで福山の作品をいくつかやった西谷弘ら。

やっぱ今やスーパースターの福山雅治とまったくの新人歌手で演技経験の全くない藤原さくらの両方の関係性が凄いいい。藤原は、今の若い歌手にありがちな可愛いとかきれいというタイプではないし、歌声も番組HPでは「スモーキー」と表しているが、どこかブルースなどが似合う感じなところが凄くいい。また演技経験無いとはいえ、吃音で育ってきた若い娘さんを演じるときに、芝居としてはやや強調した演技を求められてはいるのが気になるが、吃音者の奥底の悩みには寄り添ったものと言える。書いたようにさくらが新人歓迎会の幹事を任されるが、携帯から電話で予約を入れる練習を空一とするシーン、一人でやるシーン、実際に店に入れるが通じず着られたり、やり直しても自分から電話を切って、結局はお店に直接尋ねて予約をようやく入れるが、昼休みの屋上で簡単に友達から、その予約のキャンセルされてします。
 さくらが居酒屋に予約に行ったときに神代がそのお店に行って様子を見ていたが、その後、工場内の掲示板で新人歓迎会の会場がイタリアンに変わったことで神代が不審を感じて調べ始めるなど、脚本が大変細やかで不自然でなく、演出がその意図をよくくみ取ったものと感心する。
 やはり、神代の人税からもさくらの人生からも音楽という接点が決定的で、エンターテイメントとしては福山と藤原というミュージシャン同士が実際に音楽演奏シーンで物語りのより深さを作っていくのだろうと、ここのところ不振で評判のフジテレビまた「月9」を立て直すのは、キムタクではなく、福山雅治さんだったのかとなるではなかろうか。