
【朝日新聞デジタル版より】
環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案の衆院特別委員会での審議をめぐり、自民党は5日、民進党が求めていた政府の交渉資料を、特別委の理事懇談会に提出した。ただ、全て黒塗りされ、内容は分からない状態だった。
民進党は、情報開示がないと十分な審議ができないとして、甘利明・前TPP相とフロマン米通商代表部代表の会談記録の提出を要求。自民は5日、首相官邸への報告用に論点をまとめた資料を提出したが、全て黒塗りされ、「TPPブルネイ交渉会合 平成25年9月」などというタイトルだけが上から貼り付けられていた。
自民の佐藤勉国会対策委員長は記者団に「公開しないという国と国との約束は絶対に逸脱できない。それ(黒塗り)でもという話があった」と説明。民進の近藤洋介・特別委筆頭理事は「ここまで黒いと思っていなかった。政府の説明を徹底的に求める」と述べた。
資料提出を受け、与野党は、特別委で6日に承認案などの趣旨説明、7、8の両日に安倍晋三首相も出席して質疑を行うことで合意。自民は、首席交渉官だった鶴岡公二氏の参考人招致にも応じた。
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この黒塗りなんだ!安保法案の時もこういうの多かったけど、安倍が日本の繁栄と国民の幸福を作り出すと宣伝するTPPが国会承認の審議に入るというときに、交渉資料を求めたら、このざまだ。首相・自民党側は昨日の本会を受け手今日から特別委員会の審議をすすめて今国会中の承認を予定していると言うが、民進党は早速、審議拒否をしている。当たり前だ。
安倍は本会議場で「日本のGDPを約14兆円押し上げ効果が持続する」「TPPは日本の成長戦略の切り札だ」と詐欺師のような答弁をしている。各局はこのような重要事態に、ゲス議員の宮崎元議員妻の金子議員が国会に復活したというネタをやたらやっている。
テレビ東京は真面目にTPP審議入りしたと、上記のような経過と大事なことを報道している。それは、資料を出さないだけでなく、交渉当事者だった甘利元大臣は休んだまま、TPP交渉事務方トップの鶴岡首席交渉官7日付けでイギリス大使に赴任したいうのだ。これでは、実際の所国会審議にまとめに対応できないだろう。こんな高校生徒会レベルの民主主義感覚から見てもとんでもない事を国会がやっているというだけで、まったく許せない。
このことを全紙・全局が伝えているわけではない。メディアももっと激しく怒る必要があろう。政党は言わずもがなだ。
今朝のしんぶん赤旗をみると1面トップで笠井議員の質問と関連して審議の模様を2面で伝えている。その文中、野党が要求した資料が「標題以外すべて黒塗りで提出」と記載してあるが写真もなく、野党5党国対委員長の協議の模様を伝えているが、「鶴岡氏を参考人として国会に呼ぶことにした」とあるが、7日付けでイギリス大使として異動させたことには触れていない。黒塗り資料は何より説得力がある。
自民党も参考人招致に合意しているというが、甘利の雲隠れを含めてどうなるのだろう。上記テレ東のニュースでは民進党は甘利議員の地元事務所と国会内議員室の両方に甘利議員宛のお手紙をだしているというニュースをだしていた。先日の山尾議員の待機児問題の質問もそうだし甘利元大臣への「お手紙」も実際の政治的意味よりもマスコミ受けを狙う「ポピュリズム」政治に夢中という気がして嫌になる。
ところが、共産党も1面第2トップで「30万人分認可増設/10万円賃上げ-党が「保育」緊急提言」5段見出しで仰々しく紹介している記事を見て驚いた。
先日も書いたように野党5党で保育士の5万円賃上げ案を提出したが、もっと社会保障や社会福祉全体をどうするかの国民的課題を野党共闘で実現を迫ることが先決だし、見た目の派手さよりも地道な活動が必要だと説いた。共産党は野党共闘なので、そこを尊重して歩調を合わせただけかと思っていたら、驚いた。もっと独自性をということなのだろうか、野党共闘ではなく、いきなり小池副委員長/政策委員長が緊急提言として、「認可保育所の3000カ所を数年かけて増設と賃上げは野党5党案の5万円を実現させてから毎年1万円ずつ引き上げて5年で10万円の賃上げ」(筆者要約)させるという。共産党もここまでポピュリズム政治に乗ってきたのか。こんな実現不可能なことをさも独自性と言わんばかりに、もっといえば山尾氏ばかりが目立つ民進党に対抗しているかのようにもみえる。
国会開会式への参加を決めたりすると言う意味でのポピュリズムは求められていると思うが、暴走する安倍政権を食い止めるために混迷する野党のなかで、辛抱強く国民利益を擁護していく政党としては、もっとぶれないで芯が強い政党であって欲しい。
保育所3000カ所増設・保育士10万円賃上げやるなら特養は何カ所?介護福祉士/ヘルパーの賃金はいくら?それどころか介護保険在宅サービスは自治体へ丸投げされようとしているし、社会福祉法人には介護保険からきったところを地域公益活動という名目でお金を出せと迫っている(これだけでも社会福祉法人経営の保育園なども大打撃)。医療で言えば診療報酬は下げてばかり、介護保険報酬も引き下げばかり、それすら今の政治は食い止めることはできないのだ。
だから、そんなきれい事など言っていられないのだ。何より医療や福祉の切捨て政策課を止めさせて国民本位の政治への転換がなければならない。その上で介護報酬や診療報酬の引き上げを基礎にして、医療や福祉の底上げを基本に置かなければ医療や福祉の改善はあり得ない。
もっと書きたいが今から久しぶりに青森へ出張です。また!