実は「メルトダウンの基準があった」と東電が発表!刑事罰と責任追及を! | 昼は会計、夜は「お会計!」

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あの福島第一原発事故の時に多くの関係者が「メルトダウン」(炉心溶融)しているのではないか」との追求に、ずーと「判断基準がない」とかいって誤魔化していたことが昨日、東電自身が発表した。

【毎日新聞2月24日】

  東京電力は24日、福島第1原発事故当時、核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)の判断基準を定めたマニュアルがあったにもかかわらず、誰も気づ かなかったと明らかにした。この基準に従えば、2011年3月14日早朝には1、3号機で炉心溶融が起きたと判断できていたが、東電は当時、「判断基準が ない」との説明を繰り返し、炉心溶融を公式に認めたのは事故から約2カ月後の同年5月だった。

 東電によると、今月、柏崎刈羽原発がある新潟県に事故の経緯を説明する過程で、当時のマニュアルを再点検したところ、「炉心損傷割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定する」と明記されていた。事故時も含めてこの5年間、誰も気づかなかったという。

当時の原子力災害対策特別措置法では、炉心溶融と判断した場合、直ちに国に報告することが義務付けられていたが、東電は「原子炉格納容器内の放射線量などの必要なデータは報告していた」と釈明した。

 東電の白井功原子力・立地本部長代理は記者会見で「十分に調査ができていなかったと反省している。ただ、この件で収束作業の対応や手順が遅れたとは考えていない」と説明した。今後は弁護士など第三者の協力を得て当時の経緯などを詳細に調査するという。

          **** 引用終わり

 

あれだけ問題になっていたことを今になって、「実は基準がありました、誰も気がつきませんでした」「データは報告していた」 言い換えれば「それが何か?」という態度だ。しかし、これは普通に考えれば、実に悪質な隠蔽工作と言うしかないだろう。3.11直後の3月14日時点でメルトダウンしているとの発表があったとしても「収束作業の対応や手順が遅れたとは考えていない」とは何事か!こういうのを盗人猛々しいというのだろう。福島の人たちの避難も国や自治体の見通しの甘さから、避難指示や避難先や避難経路などが次々と変わって、そのことが更に被害を拡大したこと、その経過でなくなった方も多い。はじめからメルトダウンしていたということだとしたら国や自治体の対応もかなり変わっていた筈だ。

 東電は調査すると言っているようだが、そもそも東電自信が嘘をついていたのか、もし本当に「(基準の存在に)誰も気がつかなかった」としたら、それはそれで、そんな企業が原子力事業をやらせるわけにはいかない。この際、徹底した調査を通じて刑事責任を明確にして貰いたい。まして、被害拡大を助長したものという立場からも、東電が帰還困難区域の住民が起こしている損害賠償裁判始め、賠償責任逃れの姿勢を露骨にすすめていることに痛烈な批判を浴びせなければならない。まして、原発再稼働推進などで安倍政権との癒着を進めるために自民党への献金を増やしていることなど、あらためて電気事業者としての社会的責任を追求して欲しいものだ。

 それにしてもお粗末極まるこの国の原子力事業の担い手達だ。期せずというか昨日は、運転開始から40年以上経過する関西電力高浜原発1,2号機の40年を超えての運転延長をねらう審査書案を原子力規制委員会が了承したという。法律によっても原発の運転期間は「原則40年」とした上で、設備や機器の劣化を点検し老朽化対策の審査に合格すれば最長20年の延長を認めているにすぎない。40年や50年前の機器や設備では当然材料などあらゆるものが前時代的なものが多い。今回の審査対象にもそのようなものが多いが、規制委員会は例えば、原子炉建屋内のケーブルに防火性能不十分な素材が使われていることに対して「防火シートで覆うなどの感電の方針」を了承したというから驚きだ。

 民間企業や社会資源の設備や機器、各種装備などでも40年経過したもののの多くは更新されている。高速道路や橋梁なども老朽化対策が迫られているものも多い。まして、原子力発電所という状況の中で、この程度でさらに20年延長を認めると言うことでいいのか。福島第一原発でのロボットによる建屋内など被曝線量の多い地域の映像など見ても、被曝線量が高いということがいかに過酷な環境なのか、教えてくれた。

 事故発生時には、津波の高さの想定外とか全電源喪失など想定外とか、聞かされてきたが、機器や設備の老朽化や前時代の素材の経年劣化などは多くは想定できるものだ。科学や良心の前に科学者や技術者の奮闘に期待したい。