変わりゆく四谷と再開発事業は誰のため? | 昼は会計、夜は「お会計!」

昼は会計、夜は「お会計!」

会計をキーワードにコンサル業とASP(アプリケーション サービス プロバイダー)業のメールの二つの仕事をするmoriyanの言いたい放題ブログです。
テーマは、ブログ、会計あれこれ、医業未収金管理、小説・本、エンターテイメントなどなど。

昨日、久しぶりに事務所近くの理容室に行ってきた。ほとんど客が来ないこのお店は昭和の香りを残したままの店内と大将で続いている。最近の四谷界隈の挨拶代わりは「いよいよもうすぐですね」とか、「あの店も遂に移転されましたね」と言う話し。前者は、三栄通りの電柱地下化工事が佳境に入ったこと。後者は四谷再開発事業が始まると言うことで、残っていた民間のビルが取り壊し期限が来て次々と移転していった話し。
 私が入っている事務所前は三栄通りで足かけ5年に及ぶ電柱地下化工事で面倒で煩くて、埃まみれの日々も終盤にさしかかってきている。今、歩道のタイル化工事に来ているので、もう終わりかとみんな思っているが、まだ電柱も撤去されていないし、区の広報を見ると来年度に完成ということなのだ。それで地元では、この工事にものすごい怒りがあって、特に商業地域なのだが、歩道を拡幅して6mの車道を4mに狭めることに対して、地元からは、4m道路では大型消防車がぎりぎりで商品等の搬入・搬出の車がいることを考えれば、お互いに大変不都合が起きるし、実際大型消防車が使えなくなることなどを新宿区に陳情もしたという。結局、そのことも受け入れられないまま工事が強行されていて、そのせいかどうかは解らないが、地元商店街に迷惑をかけるわけに行かないということなのか、歩道タイル舗装工事もすべて業務遂行したまま数メートル単位に工事を進めている。警備員が迂回路へ誘導しながらちまちま舗装をしていくので、はかが行かない。地元と話し合いで夜中などに一気に進めればどうって事の無い工事の筈だ。すべてこの調子だからたった400m足らずのところが足かけ5年もかかるということだ。まして先月には安倍首相が国会で電柱地下化工事に前向き発言として紹介されていたから、これはいろいろ裏があるに違いないと調べてみようと思った。それで、いつも私の所へ来て、署名や一時金カンパなどを要請に来る共産党の区議会議員に電話を入れてまとまった資料を欲しいと伝えた。すると彼が、怪訝そうな声を出したので、「地元の人たちは、工事のやり方やそもそも車道が4mに狭められることに凄い怒っているんですよ。商品や材料の搬入・搬出の影響が起きるとか大型消防車も通れないと」ししたら、「知ってます。そんなことはないです。4mあれば消防車は入れます」都会って、「あの言っておきますが、私は議会で賛成をしています」といって不機嫌になった。「はあーん」そうか、それで、不機嫌だったんだ。「予想される大震災時の被害軽減とか避難路の確保など」区役所側と同じ事を言われていた。もう長居は無用と思い、ともかく資料を取り寄せて欲しいといって電話を切った。ところが、その後待てど暮らせど何の連絡も無い。
 きっと、そこでいろいろ私りに詮索している。彼氏は誠実な人なので、これまでも、都知事選挙の時になぜ宇都宮健児氏を再度候補者にしたのかとか、2020年東京オリンピックに対する共産党の態度は地方選前とあとで態度が変わったことなど率直にぶっつけていた。彼は、困りながら「自分は知る立場にない」とか言っているような人だったので、今度だけは自分にも降りかかるかも知れないと思ってなのか、それとも他の同僚議員と相談しているのか、2週間たった今も音沙汰がない。
 地元の抗議と陳情(新宿区役所HPにも掲載)も無視した工事強行ともいえるが、同じ地元では、三栄通りから新宿歴史博物館に下る区道をわざわざお金をかけて石畳舗装にしたが、ベビーカーや車いすの人が通れないと大変不便になっている例もある。地元住民の声に耳を貸さないとこういうことも起きる。
  そこで、新宿区役所のホームページでいろいろ検索したらかなりにことが解った。そもそも新宿区の電柱地中化のモデル地域2カ所のうちの一つだということ、そもそも三栄通りの入り口(小学校廃校跡、大蔵省官舎跡地を利用した)四ッ谷駅前再開発事業でがらりとかわることに連動して、その前の通りを歩道を広げて、商業地域として雰囲気を変えたいということで、歩道拡幅を優先したらしい(だから歩道の広げ方も再開発側の東側が4mで西側が3m)。ということは、この地中化工事に賛成したと言うことは、そもそも共産党は駅前再開発事業そのものにも賛成したのだろうか。
  それにしても24年から開始して足かけ5年、28年度に完成するという。予算的なことは2年度分しか解らなかったが、5年度全体ではおそらく10億円規模だろう。たったの400mで、この5年という年月。何十回掘っては埋めてを繰り返したことか。今後の普及を考えてもこのような工法ではとても不合理で採用できない。(逆に言えば、安倍が前のめりと言うくらいだから、全都・全国で電柱地中化を推進するというのは、ゼネンコンから建設・土木関係者に膨大な利益をもたらすに違いない。
 床屋の大将が言うには、もう何十年も前から再開発の話はあったが、当初はもっと大きな計画だったが、バブル崩壊やらなにやらで何回も計画ストップや縮小を繰り返してきたのだという。今のところは、区役所HPで出ているが、三栄通りと外堀通りに囲まれた一角に超高層ビル(31階)と中層ビル、低層ビルの三種がたつという。その後、そのブロックの西側、三栄通り西側から飲食店街があるしんみち通りを中心に新宿通までの間を二期工事の予定だという。
 先日、本欄でも書いた和食どころ「しん」は、再開発区域による立ち退きで先月末で閉鎖して、ビルができあがったら戻ってくるといっているが、床屋の大将が言うには、「賃料がおおよそ三倍になると見込まれるので、地権者は別に、賃貸で借りて営業していた飲食店の人たちは戻ってこられないとばらばらになったようです」と言っていた。四谷で31階の超高層ビルをメインに様々な再開発をして、さらに数々のカラオケ演歌の背景に登場していた「しんみち通り」が、きれいな通りに作り替えられるのでは、もう四谷が四谷ではなくなるような寂しさを覚える。その再開発地域の目の前に外堀通りがあり、その右横に江戸城内に入る四谷御門跡や四谷見附橋があり、玉川上水から江戸城内に水を流した樋のあとも残る。外堀通りの下には千代田区の外濠公園があり、JR総武線・中央線がとおる。その向こうには桜で有名な四谷土手が数キロに及んでいる。だから、多くの人が四谷 に高層ビルは似合わないという声が多いのだが・・・。地域らしさや江戸の歴史を直接受け継いでいるこの街の空気感が変わるということだろう。
 
 共産党にはそうした声より「何でも反対の共産党」といわれるのが怖いのか、最近、すっかり物わかりのいい共産党が増えてきた。