やはり安倍政権の好戦的態度を補完となるのか、批判するのか 両陛下のフィリピン訪問 | 昼は会計、夜は「お会計!」

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天皇皇后両陛下のフィリピン訪問は、日比国交正常化60周年を記念しフィリピン政府からの招きだそうだが、出発にあたっての陛下のお言葉などを見ると。この間お二人が心にかけてこられた第二次世界大戦の被害者・被害地慰霊の旅の重要な一環と言えよう。
 羽田で、このように述べられている。「フィリピンでは,先の戦争において,フィリピン人,米国人,日本人の多くの命が失われました。中でもマニラの市街戦においては,膨大な数に及ぶ無辜のフィリピン市民が犠牲になりました。私どもはこのことを常に心に置き,この度の訪問を果たしていきたいと思っています。旅の終わりには,ルソン島東部のカリラヤの地で,フィリピン各地で戦没した私どもの同胞の霊を弔う碑に詣でます。」(抜粋・宮内庁HPより)
 この引用の下りを見ても、今、このようなことを語られるのはごく一部の政治家を除けば両陛下ぐらいしか居ない。言葉は相当慎重に選ばれているが、先の戦争での被害を生み出した事への鎮魂・慰霊という言葉や行為自体が、政府関係者が歴史を見直すという行動により事実上、侵略戦争など無かったかのような言い方になっているときに、ひときわ輝く平和大使のような存在である。

 この間、天皇皇后両陛下の戦争や平和への考え、まして憲法に対する態度など、安倍政権に対する批判であると側近達に語らせてきた経過がある。宮内庁へも何かと口出ししているとも言われている。「昨年あたりから、官邸が宮内庁にかなりプレッシャーをかけており、天皇、皇后が思いを素直に口にするのが難しくなっているというのだ。実際、2014年には、安倍政権下で教育再生実行会議委員をつとめる安倍首相のブレーン中のブレーン、八木秀次が天皇・皇后の発言を「安倍政権批 判」だと攻撃するなど、右派がさまざまなプレッシャーをかけた。その結果か、誕生日の会見も前年よりはトーンダウンしたものになった。」(リテラ 2015年12月22日)  リテラ記事 「安倍政治に危機感、天皇は誕生日に何を語るのか、官邸が強める宮内庁への圧力、安倍ブレーンを使い天皇批判も 

これまでも、「実際、2013年の天皇誕生日では、日本国憲法を『平和と民主主義を守るべき、大切なもの」と最大限に評価した上で、わざわざ「知日派の米国人の協力』に言及し、『米国による押しつけ憲法』という安倍首相ら右派の主張を牽制するような発言をした。」(同) など、憲法に対しての発言や戦争との関係では美智子妃殿下のA級戦犯問題での発言など今回初めてリテラで知ったようなこともある。やはり報道統制がしかれているようだ。

「これまで、安倍首相が議連会長をつとめる神道政治連盟はじめ、右派勢力は天皇を再び国家元首にかつぎあげることを公言し、天皇を中心とした祭政一致 国家の復活を声高に叫んできた。ところが、天皇が護憲や平和、民主主義を口にし始めたとたん、その存在を敵視し、天皇を棚上げするかたちで国家主義政策を進め始めたのだ。現在の天皇・皇后はむしろ、政権に疎んじられ、完全に孤立しているようにすら見える。しかも、こうした状況に拍車をかけているのが、マスコミの対応だ。新聞、テレビはオランダ王室との華やかな宮中晩餐会などを大々的に報道する一方で、天皇や皇后のこうした憲法発言はほとんど取り上げようとしない。
 たとえば、天皇が昨年の誕生日会見で、『平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り~』と憲法に言及した部分についてNHK、は安倍政権に配慮して、完全に削除してしまった。また、今年の美智子皇后の『A級戦犯』発言についても、この部分を大きく取り上げた新聞、テレビは皆無に近かった。全国紙の政治部記者がその理由をこう解説する。
『読売、産経、NHKは安倍政権の広報機関のようなものですから、改憲に水を差すような発言は報道しない。一方、朝日などの左派系メディアは今、 弱っていますから、それを取り上げることで『天皇の政治利用だ!』 と言われるのを恐れて腰が引けている。結局、天皇陛下や皇后陛下がどんなに護憲発言をしても、国民には伝わらない、そういう状況になっています』 (同)

天皇の発言は別として、皇后陛下のA級戦犯問題の発言など、このリテラを見るまでまったく知らなかった。皇后をやはりとてもきちんと勉強されてきた方なので、口幅ったいが、真っ当な歴史を学び受け継がれいる方なのだとあらためて思うし、ましてメディアの関係や政権の動きもそれなりに理解されているだろから、とても勇気ある発言だし(ぜひリンクから本文をお読みください)、このkなんおことはお二人が話し合われて、示し合わせて、ある種の覚悟もされた上での行動のようにも思える。それは、先に紹介したように、神道政治連盟等右翼的潮流から、天皇皇后両陛下を棚上げされているだけでなく、「ネット上では安倍首相支持者が、護憲発言を繰り返す天皇・皇后に対して『在日認定』という表現で非難するケースまで出てきている」(同) という恐ろしき実態にまで来ていると言える。マスコミや言論人に対しても、気にくわないと「反日」とか「在日」という言葉でレッテル貼りをして攻撃を仕掛けるというやり口がここまできてると、”知っていました?” と言いたくなるほどの状況です。
 いずれにしても、両陛下の行動が、アジアで危機感を持たれている安倍政権と日本の評判という意味で補完することになっているのか、また鎮魂・慰霊ということでも安倍政権批判と攻撃されるのか、まことにご苦労されている割には、お気の毒と言わざるを得ない。(私個人の思想信条は天皇を国家元首になどと言う思想はないのだが、現行憲法下においての天皇皇后両陛下の果たす役割の中で、結果としてアジアの緊張緩和・平和に大きな期待をもっていることは間違いない。