田中龍作ジャーナル10月21日配信
「もう老後はない。30年間掛けてきた年金は 米金融資本に捧げたんだろうか?」。厚労省の答弁を聞くと、誰しもが思うだろう。きょう、国会内で民主党が厚労省と日本年金機構から「消えた年金」についてヒアリングした。老後を支える公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が、大きな運用損を出しているのではないか、と巷間言われてきた。
きょうのヒアリングで厚労省年金局の担当者は、10兆円の運用損(7~9月期)を出したことを認めた。

厚労省年金局の官僚は「10兆円の運用損失」について答弁すると苦悶の表情を浮かべた。そして気を失ったようにしばらく机にうつ伏した。=21日、衆院会館 写真;筆者=
引用中断 ~ところが、厚労省はこのことを懺悔するのではなく
~ 引用再開
利回りの高い海外の『低格付け債』への投資を始めるというのだ。
『海外の低格付け債』は「ジャンク(がらくた)債」と呼ばれ、将来、デフォルト(債務不履行)となる危険性がある。虎の子の年金が掛け捨てとなる恐れがあるのだ。このため投資不適格とされてきた。山井和則議員が「これまで年金積立金はジャンク債に投資してこなかったが…」と質した。
厚労官僚からはア然とした答弁が返ってきた。「これまで投資不適格なものには制限をかけてきたが、制限を外したうえで柔軟に運用してもらう」と言うのだ。ものは言いようというが限度がある。ハイリスク、ハイリターンを狙おうというのだろうが、投資(年金)が返って来なくなったら、どうするつもりなのだろうか?
海外の低格付け債権の運用を任せる受託機関の一覧表を見て納得がいった。ゴールドマン・サックスがあるのだ。ゴールドマン・サックスは、99%の人々の資産を搾り取る米強欲資本の総本山とも言える。
2011年にはウォール街の公園を占拠(オキュパイ)していた人々がゴールドマン・サックス本社にデモをかけた。玄関前に座り込んだデモ参加者は、ほぼ全員がNY市警に逮捕された。
ゴールドマン・サックスに代表される米金融資本がTPPで本当に狙うのは、日本国民の個人資産(簡保と年金)だ。農産物ではない。
簡保は医療の自由化によりいずれ彼らの手におちる。年金もセッティングされた。 **** 引用終了
これは、パチンコや競馬などギャンブル狂の人が挙げ句の果てに犯罪にまで手を出すときのの言い分と同じだ。一般投資でこれだけ損したから、これまで手をつけていなかったゾーンにまで入っていって。本人曰く「一発逆転を狙う」と言っているのと同じだ。こんな詐欺はない。
この期の特徴である上海株の下落に始まったことではなく、絶えず市場にあらゆる形で公的資金をつぎ込んできたが、厚生年金積立金は国民の老後を支える貴重な資産だ。それを事もあろうに危険きわまりない株式市況へぶっ込んで、それで3カ月で10兆円の損失を出して、今後は更にジャンク債に手を出すという。ところが、この厚生省の役人を呼んでのヒアリング?は、田中龍作ジャーナル以外では取り上げられていない。参加していた民主党の山井議員や蓮舫議員も自分のツイッターでもテレビなどで取り上げて貰った年金機構の独身寮15億円の無駄遣いのことばかり書いていて、10兆円の損失を認めさせたことに触れていない。一般紙やテレビ等でもほとんど報道されていないのは何故だ!
これが、自らの政権の成果として株価が上がったと言い続けてきたアベノミクスという真の姿だ。アベノミクスの本体ここに有り! これでもまだ安倍内閣を支持しますか?まだ自民党へ投票を続けていきますか?