
損益計算書(P/L)とは会社の一年間の損失又は利益を集計して表示したものです


「損」失と利「益」の頭文字をとって、「損益」計算書と呼ばれています

ここから、前回の「黒字倒産」の内容を損益計算書(P/L)の観点から少し考えてみましょう


「黒字倒産」が起こる理由は利益があるのに、資金繰りが悪化して関係各所にお金を返せないからです


では、なぜ利益があるのに関係各所にお金が返せないという事態が発生するのでしょうか

会社は自社の扱っている商品等を売った時に損益計算書(P/L)上で売上という収益を計上します。
また、会社は自社の商品等を作るために誰かに作業をお願いします。(自社の従業員だったり、外注先であったりします。)この時に損益計算書上では費用を計上します

この収益から費用を差し引いた金額が損益計算書(P/L)上の利益となります


ここで、商品等を売った時と作った時に収益・費用を計上すると書きましたが、現実社会では、お金を払うタイミングは商品等を売った時、作った時とは限りません

現実社会では、「ツケ」と言われる概念があります。TVドラマなどで、よく「今日の分はツケといてよ!」などの会話があったりしますが、まさにそれです

この「ツケ」は相手会社との関係で期限が大きく異なります

一般的に相手会社との関係で有利な立場にいれば、ツケの期限が長くなり、反対に不利な立場ならツケの期限が短くなる傾向にあります


「黒字倒産」が起こる原因は多々ありますが、お金を回収できるツケの回収期限が遅く、その前にお金を支払う回収期限がきてしまうと、一時的にお金が足りなくなり、損益計算書(P/L)上は黒字(利益が出ている状況)なのにも関わらず、倒産してしまうという事態が生じることがあります

以上が、損益計算書から見た「黒字倒産」の一例です


次回は損益計算書の中の見積もり項目のお話をしたいと思います
